2009-10-11[n年前へ]
■「金星」や「木星」と「金木犀」
天体計算プログラムを書くと、たとえば、その中で「金星」とか「木星」という言葉を打っていると、なぜか自然に「金木犀」という似て非なる言葉が頭の中に浮かんでくる。
今頃の季節、街中を歩いているとどこからかトイレの芳香剤のような匂いがしてくる。そのトイレの芳香剤のごとき匂いが、実は「金木犀の花の香り」だと知ったのは、いつの頃だったろうか。教えてもらったのは、いつだったろうか。
金木犀の匂いは(多分)わかるようになったのだけれど、今でも金木犀の花はよくわからない。「丈夫そうな緑の葉っぱのあの樹」ではないか、その樹に咲いているのが金木犀の花ではないか、と想像してみるのだけれど、いつも、今一つ確信が持てないまま金木犀らしき樹を飾っている花を金木犀だと勝手に思い眺めている。
金木犀は桂花とも言われるという。金木犀をお湯で煎じて、桂花茶ならぬ、金木犀を今度飲んでみることにしよう。金木星の強い香りを、その香りに似合うカップにでも注いで、鼻と喉で味わってみることにでもしようか。
2013-01-04[n年前へ]
■2013年「”残り少ない”明けの明星」を目に焼き付けろ!?
金星は水星の次に太陽の近くを回る惑星です。 だから、地球から見ると、いつも太陽の近くに見えることになります。 太陽が地平線より高く昇っている昼間には、星を見ることはできませんから、私たちが金星を見ることができるのは、「金星の後を追いかけるように太陽が昇ってくる夜明け前の東空」か「太陽が地平線に隠れた後、まだ少し地平線より上に金星がいる夕暮れを過ぎた頃の西空」になります。 前者が「明けの明星」で、後者が「宵の明星」と呼ばれます。
昨年、2012年は、前半が「金星が宵の明星として見える時期」で、後半は「金星が明けの明星として見える時期」でした。 下の図は、2012年の「日の出・日の入りの時間」と金星が見える時間帯(緑色で塗りつぶした部分)を描いたものです。 前半(下半分)は夕暮れを過ぎた頃が緑色になっていて、つまり金星=宵の明星が見える状態で、後半(上半分)は日の出前の時間帯が緑色(金星=明けの明星)が見えることがわかると思います。春が終わり・夏が始まる頃、宵の明星は姿を消して、明けの明星が見えるようになったのです。
今年、2013年はどうかというと、今月中は(昨年後半に引き続き)明けの明星が見えるけれど、それ以降はほぼ宵の明星しか見ることができなくなります。 次に明けの明星をみることができるのは、ほぼ1年後、2014年が始まる頃、です。
今月過ぎから、日の出時刻が次第に早くなっていきます。 そんな朝の時間に東の空に光る金星を、2013年には”もう残り少ない”明けの明星を眺めてみるのはいかがでしょうか。