2009-02-18[n年前へ]
■ウソで隠した迷い
高島俊夫の「メルヘン誕生―向田邦子をさがして 」より
この「手袋をさがす」のなかで向田邦子は自分のことを「十人並みの要望と才能」と言い、また「貧しい才能のひけ目」と言っている。これははっきりウソである。向田邦子は、自分に関して、そんなことはこれっぱかしも思ったことはなかろう。
彼女は、「自分には才能がある」と思っていた。平凡な家庭主婦になるのは宝のもちぐされである。どこかに自分の才能を発揮する場があるはずだ。ーこの考えが一貫して彼女の中にあった。
「潰れた鶴」
向田邦子の「あ・うん 」より
おとなは、大事なことは、ひとこともしゃべらないのだ。
「やじろべえ」
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