2009-12-18[n年前へ]
■論理の先にある非論理的なサンタの正体
時間をかけ、目に見えて役立つように見えるわけでもない文章をただ書き続ける、ということがなかなかできません。以前は、「できるかな?」と題して、そういうことができていたような気がしますが、最近は「技術の話、けれど、技術だけでもない話」というものを書くことができていないように思います。けれど、そういうことを、また再開していこう、と考えています。
「できるかな?」では、(特に初期以外の時期は)「技術的な計算をしていくと、その計算結果を通して(何らかの)「オチ」にたどり着き、話が終わる」ということを意識して書いていました。それはなぜかというと、「○×が良ければ良いほど、△□は良い」といったような、何かの特異点や境目がないような話、つまりオチ(境目)のないは、何だかつまらない当たり前の技術問題に過ぎないように思えたからです。
逆に言うと、その「技術が解き明かすオチ」を思いついてから(ある程度そうなるだろうと確信してから)、初めて計算を始め・文章にまとめていました。それは、少し研究・論文書き、といったことと似ているのかもしれせん。
だから、時に、(たとえば月刊化学でされたような)こんな質問をされても、
Q: 調べていて,意外な結論が導きだされたりすることはあるのですか?いつも、こんな感じの答えをしていました。
A: いいえ、結論(オチ)まで考えてから実際の計算や 実験に取りかかるので,意外な答えに至ることはありません。ただ、一回だけ、「意外な答え」に気づき驚いたことがあります。それは、「サンタが街にやってくる」という話です.
クリスマスシーズンが近づいてきました。だから、もう一度この「サンタが街にやってくる」という話を、ここに挙げておこうと思います。「できるかな?」の内容は3度ほど書籍化されていますが、この話は、一番最初に出版された幻の本「できるかな?―うれしはずかし無敵の科学 (ホームページ・ブックス) 」にしか収録されていません。けれど、すべての「できるかな?」の中でも、私の一番のお気に入りの話です。
「サンタはいないのだろうか」と自問自答しながら文章を書いている中で、ふとサンタというものの正体に気づかされたとき、自分が考えもしなかった「本当の答え」を見つけたような気がしました。最初は少し数学的な話から入りますが、その論理的な計算から導き出される答えは、実に非論理的な「答え」です。けれど、それが私が一番心で納得できた「答え」です。だから、数学部分を乗り越えて、最後まで読んで欲しいと願います。
ちなみに、、「サンタが街にやってくる」では珍しくBGMをつけてあります。静かに読みたい方は、消音ボタンを押してから、リンクをクリックして頂ければ、幸いです。