Paul Simonの歌にKodachromeという名前の曲がある。その中で、I got aNikon camera.というフレーズがある。この「a Nikon camera」という部分が、歌い方次第で「an ic(k)omCamera」と聞こえるという話があった。「偶像・聖像のカメラ」である。「ぼくは聖像のカメラを手に入れた」、そう考えるとずいぶんと趣のある歌詞だ。
そういえば、私がカメラをいじるようになったきっかけも、この歌詞"I gotan Icon camera"と少しだけ似ていた。ずいぶんと前の話になるが、明け方に友人と気分転換のために散歩に出かけた。すると、その途中で「観音」という名前が刻んであるカメラを拾った。ずいぶんと古いカメラだったが、ちゃんと動いたのでそれを使い始めた。その「観音という名の聖像のカメラを手に入れた」ことが、私が写真にはまるきっかけだった。
この写真は少し「偶像」を意識した写真だ。カメラを拾って、そして暗室で写真を焼き始めたばかりの頃の写真なので、少し甘すぎるようにも思うけれど、とても気に入っている写真の一つだ。