2002-10-20[n年前へ]
■街の灯 (City Light)
人口密度と夜の光
先日、こんな綺麗な画像を教えてもらった。人工衛星(DMSP)から撮影された地球の夜景だ。世界中の色々な街が光り輝いていて、とても美しい景色が見える。この下に貼り付けてある写真はとても小さい写真なのだけれども、オリジナルの写真を眺めていると、色んな国の街の灯が目の前に浮かび上がってくるかのように美しい景色に見える。
他にもこの衛星を利用した画像は眺めることができて、例えば画像サイズが(30000×15000)なんていうものさえ眺めることができる。そんな大きな画像だと、世界中に散らばる「それぞれの街の灯」がそれぞれ別に浮かび上がってくるようにさえ見える。そんな夜景の世界地図を「何て美しい景色なんだろう」とワクワクしながら、自分がよく知っている日本列島周辺を眺めていると、何だか不思議な景色が目に入ってきた。何だか眺めている景色の中に小さな違和感が見えてきたのだ。おそらく、日本周辺を眺めてみればきっと誰でもその不思議な景色に気づくに違いない。
そう、朝鮮半島が何だか少しヘンなのである。韓国と中国の灯に挟まれた辺り、つまりは北朝鮮が真っ暗なのだ。「光り輝く」「偉大なる首領様」のいる国とは思えないくらいに真っ暗なのである。ワタシは「偉大なる首領様」はてっきり無意味に飾ることが大好きなのかと思っていたが、どうやら東京電力のでんこちゃん並に省エネ・電気の節約に励んでいるのだろう。北朝鮮は省エネ先進国だったのである。あるいは、もしかしたら北朝鮮は中国の奥地並みに人口密度がとても低く、街なんかほとんどなくて、だから夜の街の灯なんか無いだけなのかもしれない。
そうでないとしたら、この夜景はとても何か不安になる景色だ。
そこで、「世界の人口密度分布」を眺めてみることにした。それが下の世界地図画像である。灰色の地域は人口密度が低くて、白色が中くらいの人口密度で、紫色の地域はとても人口密度の高い地域だ。
この世界の人口密度分布を眺めてみると、北朝鮮は決して人口密度が低いわけでなくて、単に「人口密度の割に夜の街の灯はとても暗い」ということが判る。北朝鮮には多くの人が住んでいてきっと多くの街があるにも関わらず、夜の街は真っ暗なのだ。そんな不安になる国が、「光り輝く」「偉大なる首領様」のいる国だったのである。
ところで、そんな「人口密度の割に夜の街の灯はとても暗い」地域は決して北朝鮮だけではないだろう。日本のように「人口密度が高くて夜の街の灯も輝いている」わけではない場所が世界中にはたくさんあるはずだ。人工衛星から撮影された地球の夜景地図では、そんな「夜の街の灯がとても暗い」地域は見えてこないのだけれども、世界地図の中には、そんな地域が散らばっているはずだ。
世界地図の中に散らばるそんな地域を目の前に浮かび上がらせるために、最初の画像「人工衛星から撮影された地球の夜景」と「世界の人口密度分布」の二枚の画像を利用して、画像解析により「人口密度に対する夜の街の灯の明るさ」を算出してみた。それが下に示した画像だ。ここで、黄色で示した地域は「人口密度の割に夜の街の灯はとても暗い地域」で、紫色で示した地域は「人口密度は高く、夜の街の灯も輝いている地域」である。
黄色い地域は北朝鮮のように「人は多くいるのに夜は真っ暗で華やかな街の灯りなんかない」地域で、紫の地域はアメリカやヨーロッパ、そして日本のような「人口密度の割に夜の街の灯りが輝いている」地域である。
こうしてこの結果の世界地図を眺めていると、アフリカを中心としてアジア周辺にも「人口密度の割に夜の街の灯はとても暗い地域」が広がっているようすが見えてくる。特に、「人工衛星から撮影された地球の夜景」では闇に埋もれていたアフリカの辺りがこの世界地図の中では黄色くはっきりと浮かび上がってくる。
「人工衛星から撮影された地球の夜景」=「街の灯」を一番最初に眺めた時には、こんな黄色い地域は見えなかった。明るく綺麗な夜景は見えていたけれど、こんな「多くの人がいるのにとても暗い地域」はあの写真には写っていなかった。少なくとも私には見えていなかったように思う。
だけど、今は最初に眺めたあの「地球の夜景」の写真の中からだって、とても綺麗なだけの「地球の夜景」とは少しだけ違う「街の灯」が見えてくるような気がする。そう、ちょうどチャップリンの「街の灯」に登場する花売り娘、見えなかった目が治り、見えていなかった景色を目の前にした娘のような気分だ。少しだけ夜目がきくようになった私には、前とは少し違うそんな「街の灯り」が見えるような気がする。人工衛星からの写真には写っていなかった「街の灯」が見え宇ような気がする。 あなたはどうですか?あなたは見えるようになりました?
2011-04-06[n年前へ]
■「東京電力の株価と出来高推移」にみる制御アルゴリズム
Farst&First情報掲示板経由で眺めた「東京電力の株価と出来高推移」が面白い。制御量(株を売買した数)と目標値(株価)の関係を見つつ、制御アルゴリズムの解析をしてみたくなる、かも!?