2016-04-30[n年前へ]
■続「(泡が下へ沈んでいく)ギネスカスケード」を近赤外線で撮影してみよう!?
「(泡が下へ沈んでいく)ギネスカスケード」を近赤外線で撮影してみよう!?で、グラスに注いだギネスビールの泡が下へ下へと静かに沈んでいく「ギネスカスケード」を、近赤外線で撮影することで「可視光では見えないギネスビールの内側の泡の動き」を可視化してみました。今日は、撮影を再度行った上で、撮影した動画にParticle Image Velocimetry(PIV)を掛けて、速度場を出してみることにしました。
まず、今回再撮影した動画は、近赤外線カメラのピント位置をグラス中央にして、グラス中央断面の泡が(他の場所の泡に対して)写りやすいようにします。本来は、投光する近赤外線光もグラス中央断面にのみに平面状で当てることで、さらにグラス中央断面に沿った泡のみが写るようにしたいところですが、今回はカメラのピント位置調整だけを行いました。その状態で撮影したのが、下に貼り付けた動画です。ちなみに、撮影した場所は、右に貼り付けた画像のように、グラスの真ん中あたりの領域です。
Youtubeにアップロードした動画では、画像圧縮のために泡が見えづらいですが、それでもグラス中央で立ち上る泡や、グラス端部に近い領域では沈降していく泡のようすが動画から見てとれます。泡の動きを描いた矢印の色は上下方向の速度を示していて、赤い色で描かれた矢印は上昇速度が速い泡が多い状態です。グラス中央では、上向きの赤い矢印が多い…つまり、グラス中央部では泡が上昇していることがわかります。
そこで、PIVにより描き出したギネスカスケード中の速度場のようすが、下に貼り付けた図です。(動画では視認される)グラス外周の泡沈降のようす抽出できていませんが、グラス中央で生じている泡が上昇しているさまは見えています。ギネスビールが可視光では黒茶色で不透明なために、不思議に見えるギネスカスケードですが、近赤外線で撮影した上で泡の動きの速度場を眺めてみると、自然で当然の現象であることがわかります。
2016-05-29[n年前へ]
■続々「(泡が下へ沈んでいく)ギネスカスケード」を近赤外線で撮影してみよう!?
続「(泡が下へ沈んでいく)ギネスカスケード」を近赤外線で撮影してみよう!?で撮影した、グラスに注いだギネスビールの泡が下へ下へと静かに沈んでいく「ギネスカスケード」の近赤外線による撮影を、今朝は朝日が地平線に昇る時間からリトライしてみました。…どういうことかというと、真横から指す「赤外線をタップリ含んだ(平面状の)太陽光で照らされたギネスビールのグラス断面を赤外線で撮影」し、グラスの中で生じている泡の動きを高精細に撮影してみよう!という試みをしてみたのです。
下に貼り付けたGIF動画が、(朝日を浴びつつ)試行錯誤の末に撮影した結果です。グラス中央で上昇すると泡(やビール液体)と、グラスの端部分では下方へと押し下げられていくギネスビールと泡が見て取れます。…ちなみに、ギネスビールの泡の粒径は小さいために、流体と泡はほとんど同じような動きをします。
ギネスビールのグラス内側で、「光る包丁」のような朝日につれられて上昇と下降をし続ける泡実験をしていると、そして告ぐ度にギネスビールを飲んでいると…「早朝からのギネスビールはイマイチ」ということに気付かされます。
2019-10-18[n年前へ]
■泡が下降を続ける!?--ギネスカスケードの謎を解け!
「ソフトウェアデザイン 2019年11月号」に『泡が下降を続ける!?--ギネス/カスケードの謎を解け!』を書きました。いわゆるひとつの、近赤外線撮影と速度場抽出のPythonコードによる流体解析の話です。