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2016-12-13[n年前へ]

街通りを歩きながら…列車中で…似合う「飲料類」を決める振動動特性のヒミツ 

 街の通りを歩きながら、あるいは列車の中で1人飲み物を飲みたくなることがある。時にビール、あるいはコーヒー、その時の気分に応じた何かを手に持つカップに注いで飲んでみたくなる。とはいえ、カップから飲み物がこぼれたりするのはイヤだ…という人は、この論文  "Damping of liquid sloshing by foams: from everyday observations to liquid transport" を読んでみると面白いと思う。

 場所や状況に応じた飲み物を、その時の気分だけではなくて、その場所の「振動や揺れ」に応じて選びたい!と考える人に役立つこの論文は、飲み物の上面に浮かぶ「泡(foam)」が、どのように飲み物自体の揺れ・振動を抑える効果があるかを示している。液上面に泡がわずか数ミリメートルあるだけで、液面の揺れが数分の1に治まるようにすることができる現象解析をした論文だ。

 石けんや洗濯洗剤で「泡のかたまり」を作り、息を吹きかけたり・指で突き動かしたりすると、ブルブル震えて大きく揺れる。けれど、それと同時に、揺れがだんだん治まっていくことにも気付かされる。それはもちろん、たくさんの泡が「動き」を妨げるよう・緩やかにするよう抵抗として働くからだ。

 揺れが激しいところでは、きめ細やかな泡が厚く重なるギネスビールが似合う…とか、もう少し揺れが治まればピルスナービールが似合う…とか、(泡を持たない)コーヒーでは揺れが少ない落ち着いた場所が似合うとか、そんなことがわかる論文は、読んでみると面白いと思います。

街通りを歩きながら…列車中で…似合う「飲料類」を決める振動動特性のヒミツ






2016-12-14[n年前へ]

「(泡が下へ沈んでいく)ギネスカスケード」を高速度撮影してみよう!? 

 続々「(泡が下へ沈んでいく)ギネスカスケード」を近赤外線で撮影してみよう!?過去ビール記事で書いたように、上が広がったグラスにビールを注ぎ、ビールの上面に溜まった泡を眺めると、きめ細やかにできあがった泡が下へ下へと下降しているさまが見えます。泡と言えば「上に浮かび上がっていく」ばかりに思えますが、いくつかの条件が重なると、グラスの中で「下へひたすら沈んでいく」ビールの泡を見ることができます。

 そんな「下降を続けるビールの泡」のようすを細かく確認するために、今日は高速度撮影を行っててみました。…といっても、やったことは、iPhoneに顕微鏡アタッチメントを付けて、標準機能の高速撮影を行ってみただけのことです。

 高速度撮影した映像を眺めてみると、泡(Bubble)というより遙かに密度が高く、むしろ泡(Foam)という言葉の方が適切かもしれない状態の中で、大きな泡は緩やかに下降して・小さな泡は隙間へと素早く動きながら速い速度で下降していることがわかります。ちなみに、この高速度撮影を行った時には、ビールグラスの中では「泡部分」と「ビール液体(だけがある部分)」は分離している状態になっています。

 これまでコンピュータ流体シミュレーションから予想されている現象は、グラス中央で浮かび上がる泡がグラス内部にビールの対流を生み、グラフの最外側境界で下降していくビールの流れに沿って泡が下降していくように見える、というものでした。しかし、ビールと泡がすでに分離したグラスの中で、泡が下降していくように見えるさまを眺めていると、もう少し違う説明も必要であるようにも思えてきます。

2019-10-18[n年前へ]

泡が下降を続ける!?--ギネスカスケードの謎を解け! 

 「ソフトウェアデザイン 2019年11月号」に『泡が下降を続ける!?--ギネス/カスケードの謎を解け!』を書きました。いわゆるひとつの、近赤外線撮影と速度場抽出のPythonコードによる流体解析の話です。



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