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2010-01-24[n年前へ]

ビデオゲームの「歴史」と「文化」と「未来」の展示  (初出:2005年10月05日) 

 「Game On! ビデオゲームの歴史と文化と未来( The History, Culture and Future of Videogames )」という企画展が、いわゆる"シリコンバレー"の中心街であるサンノゼ市の技術革新博物館( The Tech Museum of Innovation )で9月30日から開催されていた。そこでは、各種ビデオゲームの歴史や、それを支えた技術・マーケッティング戦略、そして音楽やデザインの文化など、多岐にわたる内容が展示・解説されていて、これが信じられないくらいに素晴らしく面白かった。

 たとえば、各種ビデオゲームの歴史では、(DEC PDP-1上で動作する)1962年に生まれたSpacewar!から始まり、膨大な数のアーケードゲーム・TV(ビデオ)ゲーム・携帯ゲームが展示されている。そして、何より素晴らしいことに、(Spacewar!以外の)展示ゲームのほぼ全てを実際に自由にプレイして楽しむことができた。もちろん、ゲーム音楽を解説してる一角では、当然のように好きなゲーム音楽を自由に聴くことができるのである。

 実際に私が懐かしくプレイしたゲームをいくつか挙げてみると、商用ビデオゲームの草分けのATARIのPONG、あるいはベクタスキャンのCRTを使って信じられないくらいのスピード感を実現していた懐かしの”STAR WARS”や、はたまた携帯型ゲームの草分けであるゲームウォッチ、もちろん日本中の喫茶店の景色を変えたSPACE INVADERSも…といったような具合だ。

 実際のゲーム筐体を前に、こういった懐かしいゲームをしていると数時間くらいはあっという間にたってしまう。しかも、ゲームをするのにお金がいるわけではないから、それはつまりいくらでも楽しい時間がタダで過ごせる(ミュージアムの入場券は買う必要があるが)、ということになる。

 日本の国立科学博物館でも、似たような「テレビゲームとデジタル科学展」という企画展が開催されたことがある。。しかし、そこでは古いゲームマシンは展示ケースの中にただ並べられているだけだった。それは、実際のところ「面白くて楽しかったとは言い難い」ものだった。

 しかし、この展示会は違った。「過去40年から100以上のゲームを展示し実際に遊ばせ、そしてゲームがどうやって作り上げられていくかを見せる」という謳い文句を確かにそのまま体験することができたのだ。Game On!のような形態のイベントを、日本でも開いて欲しいと切実に願う。



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