2012-11-18[n年前へ]
■「黒パンツを覆う白生地中の光収支方程式」問題をエクセルで解いてみよう!?
検証!「夏目アナの脇汗事故はなぜ起こったか?」ー灰色の服が汗染みに弱い理由では、脇汗をかいた時、着衣の外見がどのような色になるかを考えてみました。
今日は、別の着衣の「外見色」問題、「白生地で覆われた黒パンツは一体どんな風に見えるのか?」という(いわゆるひとつの)「黒パンツを覆う白生地中の光収支方程式」問題を、表計算ソフトであるエクセルを使って解いてみることにします。
「白い生地」は光を散乱/拡散させる素材です。 簡単のために、白生地が完全に光を散乱/拡散させるものと近似すると、生地中の微小領域(部分)を考えれば、その領域は周囲に等方に光を発するということになります。 逆に言うと、「白生地の各領域は周りから発せられる光を受ける」ということです。 そんな風に考えると、(下図に描いたように)白生地の各領域の輝度は、「周囲の輝度の平均」を用いた形の式で表されることもわかります。つまり、この「黒パンツを覆う白生地中の光収支(輸送)方程式」は熱伝導方程式などを解いたのと同じやり方、エクセルで「反復計算(循環参照計算)」を使えば解くことができるのです(下図参照)。
それでは、実際にエクセルを使って「白生地で覆われた黒パンツは一体どんな風に見えるのか?」問題、すなわち、「黒パンツを覆う白生地中の光収支方程式」問題を解いてみることにします。(参考までに、今回作ったエクセルのファイルはここに置いておきます)
まずは、エクセルに『体の上の「黒パンツ」』を示す「反射率分布」を白黒(1,0)で造ってみます(上図のA1からQ16までの領域)。
そして、その下に(B19からQ34までの領域)に「(黒パンツを覆う)白生地」を作ります。
白生地の各領域には "=(上+下+左+右)/6 + 自分×反射率/6+1/6" といったような式を入力します。
そして「反復再計算」を実行すると「白生地で覆われた黒パンツは一体どんな風に見えるのか?」をエクセルが計算してくれるわけです。
また、「数値の大小が色を表すような書式」にしておけば、計算結果をそのまま濃淡のイメージとして眺めることもできます。
さて、体の上に「黒パンツ」があるとして(上図の右上部分)、その「黒パンツ」を覆う白生地が(外見上)どんな輝度に見えるかの計算結果を示したのが、上図の右下部分です。 (白=1, 黒=0)という色で示した計算結果を眺めてみると、白生地越しの黒パンツはずいぶん「ぼやけた姿」となって見える、ということがわかります。 単純な計算ですが「確かにそんな感じ」という結果になりました。
下着が透けてしまう・それとも大丈夫(透けない)といった「着こなし」の問題に悩んだときは、その問題を表計算ソフト・エクセルを使って「実際に解いてみる」という解決策はいかがでしょうか?