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2011-04-04[n年前へ]

「応力集中」を利用した「サントリーの非対称プルタブ」 

 何かに力を掛けた時、その形状が鋭く変化している部分には強い力がかかります。それは、「形状が鋭く変化している部分」では「受けた力を周りとともに受け止めることができなくなる」からです。そういった現象は「応力集中」と呼ばれます。そんな「応力集中」を利用しているのが、サントリーの「非対称プルタブ」です。

 プルタブが奇妙にねじ曲がっていますが、そのおかげで「プルタブに掛けた力を効率的に集中させて、アルミ缶の口を開けることができる」というわけです。「当たり前の現象を、当たり前のように使う」ということは一見当たり前のように思われるかもしれませんが、実はそれは最高にセンスが良いデザイン(設計)であるように思えます。

 世の中で使われている「モノ」は全て(経済原理が許す限りにおいて)力の限り工夫されて作り上げられているものばかりです。私たちの身の回りにあるものたちを眺めてみれば、一見不思議に感じられる「非対称形状のプルタブ」のようなモノが溢れています。自然の原理に人間の知恵の数々が注ぎ込まれている「道具のパズル」を色々眺めてみると、とても面白いかもしれません。

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