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2007-12-31[n年前へ]

サントリーDAKARAを近づけるとクルクル回るブタさん人形のヒミツ 

 少し前、サントリーのスポーツ飲料DAKARAのオマケにブタさん人形が付いていた。ピグリンという名前が付いているらしいそのブタさん人形には、小さなDAKARAボトルも付属していて、ブタさん人形にDAKARAボトルを近づけるとブタさんがグルグル回りだすのだった。これが、本当に驚くほど早く回転し続けて、実に楽しくなるのである。

 クルクル回って気持ち良くなるのはさておき、その動作の仕組みが気になってしまうのが人情でもある。ブタさん人形とボトルには磁石が入っていることはすぐにわかるのだけれども、単に磁石が(何の工夫もなく)入っているだけでは、DAKARAボトルと人形が近づいたり遠ざかったりすることはあっても、素直にクルクルと回るとは思えない。

 かといって、人形やボトルを分解したら、その仕掛けも簡単にわかりそうだが、分解するにはブタさん人形はあまりに可愛いすぎる…。そこで、ブタさん人形に手元にあった磁石を近づけたり、そのときの反応を観察したりしているうちに、その仕掛けが大体わかってきた。おそらく、「ボトルの中には傾けられた磁石が入っていて」「ぶたさん人形の底面が球面状になっている」という2点の工夫により、DAKARAボトルを近づけるとピグリンがクルクル回りだす、のである。

 ブタさん人形とDAKARAボトルを向きを逆にしてくっつけてみると、DAKARAボトルの向きによってくっつき方が異なるのがわかる。そうなる理由は、DAKARAボトルの中の磁石が傾いて配置されている、と考えるのが一番素直である。たとえば、ブタさん人形の中にはN極を下に向け、S極を上に向けた磁石が水平に取り付けてあり、DAKARAボトルの中には、N極を下(から少しずらした方向)に向け、S極を上(から少しずらした方向)に向けた磁石が取り付けてあるというわけだ。DAKARAボトルの中の磁石を、水平面に対し角度を持たせて固定しておくのである。

 すると、上に書いた図のように、DAKARAボトルを近づけると、互いの磁石の反発力でブタさん人形は(ブタさん人形の向きによらず)鉛直面に対して(DAKARAボトルに対して)特定方向に傾くことになる。そして、その傾いた状態で(これまた磁石の反発力で)DAKARAボトルから遠ざかろうとする。すると、その結果、ぶたさん人形の底面が球面状になっているので、傾いたコマのようにクルクル回りながらDAKARAボトルから離れていく、という動きをするわけである。

「するわけである」と書いたが、もちろん人形の中身を調べたわけではないので、実際のところどうなのかはわからない。とはいえ、やはりブタさん人形は妙に可愛いので、分解する気にはなれない。というわけで、仕組みを納得できる考えが生まれたところで終わりにしておこう。

DAKARADAKARADAKARA






2009-12-06[n年前へ]

NEWS今昔物語「禁断の未来・作り出す未来」編 (2004年07月00日) 

5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと

 少し前、(5年前に記事を書いた)「青いバラ」が、ついに販売された、というニュースを知りました。そこで、今回は、この記事を書いてみました。

 この記事を書いたとき、青いバラ開発のニュースになぜ最相葉月の「青いバラ (新潮文庫) 」へのリンクを張ったかを書いた覚えがあります。

 それは、「未来」というものを、「良いと思う面」「悪いと思う面」という両面から書きたかったから、というような内容だったと思います。できる限り、相反することの両方を並べ書きたい、というようなことを感じていたから、だったような気がします。

 この時書いた、「青いバラ」という未来は実現され、「現在」になり、そして「過去」になろうとしています。

(記事を書いた時の)ひとこと

 今回は、「未来」について書きました。自然を変え、新しいものを作り、色々な人たちが日々、色々な未来を作り出していきます。

「叶わぬ望み」の青の薔薇を作り出す

 「叶わぬ望み」「不可能なこと」を意味する青いバラ"the blue rose"をサントリーが遺伝子組み換え技術を用いて開発した。もちろん、これまでにもさまざまな青いバラが作り出されてきたが、今回の「青いバラ」はバイオテクノロジーの力により本来バラが全く持たない青の色素デルフィニジンを多量に含んでいるのが特徴だ。

 「叶わぬ望み」「青いバラ (新潮文庫) 」が遺伝子組み換え技術で実現される。良いか悪いかはさておき、それが二十一世紀なのだろう。

チタン製の埋め込むブラジャー

 二十世紀の偉大な発明の一つがブラジャーである。米国人の女性マリー・ジャコブが発明し、1913年に特許をとった。ブラジャーは、コルセットから女性を解放し、社会進出の手助けをしたともいう。そして、最近ではブラジャーの高機能化がますます進んでいる(らしい)。

 しかし、そんな偉大なブラジャーを不要にしてしまうチタン製埋め込みブラジャーをデュッセルドルフ在住のZiya SAYLAN医師が生み出した。このチタンのメッシュ状のカップを胸に埋め込むというこのブラジャーを装着すれば、未来永劫ブラジャーは必要ない。…しかし、いいのかそれで本当に?

携帯電話を腰に付けると精子の数が30%減る?

 先日、ハンガリーの科学者が「携帯電話をズボンのポケットや腰のホルスターに着けて持ち歩くと男性の精子の数が30%減少する」という研究結果を発表した。どうやって数えたのか、その方法は…あまり知りたくはないが、とにかく30%オフというのは驚くべき数字である。

 今回の結果はまだ確実なものではない、という意見もあるようなので、これから行われるだろう正確な追試等を待ちたいところだ。それにしても、女性に比べて携帯電話を(鞄に入れずに)身につけることが多い男性にとって、これは実に気がかりなニュースかも。

初の民間宇宙船をM&Msチョコレートで祝う

 100kmというと、ちょうど東京駅から静岡県の熱海くらいまでの距離だ。JRの切符を買えば1,890円ほどでたどり着くことができる。しかし、それが地表から高度100kmだとそう簡単にはいかない。なにしろ、そこは地球を飛び出した宇宙空間である

 6月21日、そんな地表100kmの宇宙の世界へ民間企業Scaled Compositesが有人飛行に初めて成功した。その宇宙船SpaceShipOneから撮影されたビデオを見るとそこは確かに地球を見渡せる宇宙の世界だ。そして、無重力の世界でお祝いに色とりどりのM&Msチョコレートをパイロットがばらまき、それらがコクピットの中を舞う様子は、…ただ素晴らしく美しいとしか言いようがない。

未踏の世界をスーパークリエイター達が作り出す

 次世代のIT市場創出を担う優れた研究者(スーパークリエイター)を支援しようという未踏ソフトウェア創造事業2004年度 第1回の公募結果が発表された。IT市場や次世代ソフトウェアなんてよくわからない…と思う人でもきっと眺めてみると興味を惹かれるものがあるハズだ。

 動き出す実物大グラビアアイドルどこからともなくブートするOS異文化コミュニケーションのための知識共有システム世界規模ソースコード検索エンジン…、なんだか面白そうなものがたくさんある。自分好みのプロジェクトを応援してみると面白いかもしれない。

2011-04-04[n年前へ]

「応力集中」を利用した「サントリーの非対称プルタブ」 

 何かに力を掛けた時、その形状が鋭く変化している部分には強い力がかかります。それは、「形状が鋭く変化している部分」では「受けた力を周りとともに受け止めることができなくなる」からです。そういった現象は「応力集中」と呼ばれます。そんな「応力集中」を利用しているのが、サントリーの「非対称プルタブ」です。

 プルタブが奇妙にねじ曲がっていますが、そのおかげで「プルタブに掛けた力を効率的に集中させて、アルミ缶の口を開けることができる」というわけです。「当たり前の現象を、当たり前のように使う」ということは一見当たり前のように思われるかもしれませんが、実はそれは最高にセンスが良いデザイン(設計)であるように思えます。

 世の中で使われている「モノ」は全て(経済原理が許す限りにおいて)力の限り工夫されて作り上げられているものばかりです。私たちの身の回りにあるものたちを眺めてみれば、一見不思議に感じられる「非対称形状のプルタブ」のようなモノが溢れています。自然の原理に人間の知恵の数々が注ぎ込まれている「道具のパズル」を色々眺めてみると、とても面白いかもしれません。

「応力集中」を利用した「サントリーの非対称プルタブ」「応力集中」を利用した「サントリーの非対称プルタブ」「応力集中」を利用した「サントリーの非対称プルタブ」








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