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2011-11-30[n年前へ]

「不幸に終わる男」と「成功する男」 

 塩野七生「男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 」には、思わず書き写したくなる「言葉」と「論理」と「感性」が詰まっている。…ただ、その言葉は「限りなく蒸留されていて、ひとつの言葉をも抜くことができないくらい精緻に組み立てられている」ので、この本から言葉を(意味を損なわずに)書き写そうとすることは難しい。その価値を失わせないでいようと思うなら、「全文引用」を避けられない、そんな文章だ。

 「男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 」に書かれている「不幸に終わる男」と「成功する男」の特徴・条件…それらをここに抜き出してみた。意味・価値の99%を損なわせることを覚悟の上で、少しだけ書き写してみた。

不幸に終わる男:
  1. 原則に忠実な男:人間(他人・相手)の存在を優しく見ない
  2. 完璧を期す男:ないものねだり
  3. 迷う男:自分が進む道・立つ場所を決めていない男
成功する男:
  1. のどかに晴朗で明るい男:灯りにはつねに虫が群れる魅力がある
  2. 「暗黒面にばかり眼がいく人」でない男:人は所詮、自分が真実と思いたいものを見る
  3. 自分の仕事に90%の満足と10%の不満を持つ男:自分が耐え・他人も巻き込むためには9割の楽観主義は必要だ。しかし、10割楽観主義では…それは単なるバカである
  4. 普通の常識を(守らずとも)"尊重”する男:普通人が自らの存在意義を見いだすのは世間並みの常識の中でしかない。そんな平凡な人間の存在理由・人間性を暖かく「見る」ことができる

 これらの言葉の意味、さらにその背景をより深く知りたいと思う人は、 「男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 」を読むしかない。

 この本は、こんな風に「○×の条件は第一に〜、第二に〜、そして、第三に〜である」といった箇条書きが頻出する。そんな論理的で、けれど、決して冷徹だけでなく・むしろ過激に情熱的でさえある言葉が溢れている。



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