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2009-11-07[n年前へ]

11月7日に「生きる」 

各作家たちが書いた名作短編集「きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編 (角川文庫 あ 100-103) 」の恒川光太郎「秋の牢獄」から。

 いつかあれに捕まる日が来ると思うから、それまではなるべく楽しんでおこうと寄り集まったり、旅行したりしているような気がするのだ。
 もしも北風伯爵が存在せずに、11月7日がただひたすら永劫に続くとしたらどうだろう。私はやがて行動する気力を失い、朝起きたら、睡眠薬を買いに行き、あとは一日中眠るだけの日々を続けるようになる気がする。
 私はもう充分に、楽しんだし、悲しんだし、苦しんだのだ。

 ふと気付くと、今日は11月7日でした。これは、本当に不思議なくらいの偶然でしょう。それと同じように、不思議なくらい、この短編は「何か」が心に残り続ける物語です。



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