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2011-12-19[n年前へ]

「問題」を解くための「必要3条件」 

 先週末、"Mathematica Conference JAPAN 2011(Wolframユーザコンファレンス Japan 2011)"を聴きに行きました。その冒頭の基調講演"Computer Based Math"では、"問題” "Problem"を計算機を使って解決していく「手順」が、こんな風に語られていました。

  1. Understand the problem(課題・問題理解)
  2. Set up the problem(問題設定)
  3. Calculate the problem(計算)
  4. Utilize result of the problem(計算結果の適用)
 そして、本来は目的に辿り着くための作業に過ぎないはずの「3番目の過程=計算」を楽に行う手助けをすることが、Mathematicaという計算処理ツールの意義である…というようなことが語られていました。

 「…なるほどなぁ」と思いつつ、それと同時に、少し違和感も感じました。なぜかというと、2〜4の過程は互いに分けることが難しい不可分のことであるのではないかと、そう思えたからです。

 「解けること(3)」「(答を)役に立つ形で適用しうること(4)」…そんなことを全て理解するという必要条件のもとに、「解決する”問題”を決める・設定する(2)」ということが可能なのではないか、と思います。さらに、(2)〜(4)にいたる「3つのこと」全てを把握するというこそ、(1)の「課題(問題)を理解する」ということ・そのための必要条件なのではないか、とも思うのです。

 …つまり、上に書かれた4点の箇条書きは、実は「分けようがない不可分の”ひとつ”のこと」としか言いようがないのではないか、とも思ったりするのです。

 そんなことを考えた次の日、「n年前へ」を眺めてみると、こんな言葉をメモしていました(「トンデモ計算」を生む原因)

 科学的知識はわれわれの周りの世界に起こる出来事を説明し、多くの場合、物事のより良いやり方を予知するために用いられるが、それには問題意識と目標が十分に明確でなくてはならないのである。

ワッツ&ベイヒル 「ベースボールの科学」

 ここに登場する「問題意識」「目標」といったことを「十分に明確」にするためには、何が必要とされるのだろうか?と考えます。そんな曖昧な疑問に答えるなら…あなたは、どんな「条件」が必要だとて、そしてどんな「答」を出すでしょうか。



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