2009-03-12[n年前へ]
■本当は女優になりたかった
久世光彦の本はもっと文庫本になってもいい、と思う。文庫本として本棚に並び、ふと買うことができるようであって欲しい、と思う。そして、いつでも持ち歩ける文庫本で、ふと読みたくなった場所と時間に読みたい、と切望する。
ところで、男も女もひっくるめ、すべての職業の中で女優がいちばんだと思います。その誇らしさも、その嫌らしさも、身の引きしまるような優美さも、吐きたくなるくらいの醜悪さも、あるいはそれらが不思議に絶妙に両性しているからこそ、何にもまさって女優がいちばんだと思います。
久世光彦 「私があなたに惚れたのは」
それ故に、あなたがもし選ばれてあるのなら、恍惚だけでは片手落ち、不安の方もどうか忘れないで下さいと、せめて嫌味の一つも言いたくなるのです。
久世光彦 「私があなたに惚れたのは」
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