2011-11-18[n年前へ]
■ワクワクする「コムローイ飛ばしコンテスト」
11月の満月の頃、タイのチェンマイでは、幻想的なローイクラトンが行われます。灯籠をたくさん吊したり、川面にコムファイ(灯籠)を流したり、そして、空へもコムローイ(気球のようなもの)やコムファイ(灯籠)を飛ばし・流したりします。日テレ「世界の果てまでイッテQ!」でその風景がカレンダーとして使われたことで、そういえばその幻想的な景色に見覚えがある、という方も多いかもしれません。人工の星空を、もしも「プラネタリウム」と呼ぶことにするのであれば、世界一美しい「プラネタリウム」は、この空に浮かんだ無数のコムファイが作る「天の川」や「流れ星」といった「星空」です。
コムファイは、火が灯った「灯籠」です。夜空へ飛んでいく空飛ぶコムファイは、紙気球の下部で燃える火が気球内部を暖めると同時に、気球自身を明るく輝かせます。それは、まさに明るく輝く「灯籠」です。 それに対して、昼に飛ばす「気球」は、紙気球の中身を地上で暖めて、そして空へ飛ばします。紙気球には「燃える部分」は備え付けられていません。だから、それはコムローイ(浮かぶもの)ではあってもコムファイ(灯籠)ではない、というわけです。
この時期の昼には、色んな場所で、コムローイを飛ばすコンテストをやっています。たとえば、学校の校庭で学生たちが順番にコムローイを飛ばし・そのワザを競い合っていたり、あるいは、町中の広場で同様のコンテストが行われていたりします。コムローイには紙や発砲スチロールで作られたグライダー、あるいは垂れ幕などが花火や爆竹で結びつけられていて、コムローイが空へ高く登った後に、それらのグライダーを流したり、垂れ幕を下へ広げたりするという仕掛けになっています。
下の動画は、「紙で作ったコムローイに扇風機で空気を送り込み、灯油を灯した棒を持ち・中に入り・空気を熱して、空へ飛ばしていく」ようすです。さらに、空に浮かんだコムローイから、たくさんのカラフルな煙吹くグライダーが放たれる風景です。このコムローイを飛ばすさまを眺めていると、何だかとてもワクワクさせられます。このコムローイのメカニズムや仕掛け、それを作った人たち、そして、飛ばす作業をチームワーク良く?行う人たちを眺めていると、とても楽しくなります。
ところで、コムローイは紙製ですから、燃えさかる棒をコムロイに差し入れて・熱している時に、不幸にも風にあおられたりするとコムローイに火が燃え移ってしまうこともあります。そんな「惨事」の一例が下の動画です。時には燃えさかるコムローイが、電線や木に引っかかっていたりもします。…作った人たちは残念至極かもしれませんが、見ている人たちにとっては、それも少し刺激的で・興奮させられたりします。
「コムローイ飛ばしコンテスト」は「人力飛行機選手権」や「ロボットコンテスト」を見ている時と同じワクワク感があって、眺めていてとても楽しくて、「灯籠流し(ローイカトーン)、灯籠流し(ローイカトーン)ローイローイカトーン〜」と歌を口ずさつつ、ずっと眺めていたくなるのです。 (twitter から)
2013-11-17[n年前へ]
■ヘリウム風船に「夢や希望」を乗せて・叶えるために飛ばします!?
2013年、チェンマイのロイクラトンで、空に流されていくコムファイ・コムローイを眺めてみると、一昨年2011年には見かけなかった「変わり種コムローイ」を見つけました。…それは、いくつかのヘリウム風船にぶら下げられ空高く上がっていくクラトン(灯籠)です。川面に浮かべ・流されていくはずの灯籠が、ヘリウム風船にぶら下げられて、どこか遠くの空に飛ばされているのです。
軽量化のためにプラスチックで作られたクラトン(灯籠)が、ヘリウムを詰めたゴム風船にぶら下げられ浮かんでいるのを見ると、「伝統の作り方とか関係なくて、何でもありだ!」と何だかとても楽しくなります。
そしてまた、ヘンだけど奇妙に可愛い(まるで熊本県PRマスコットキャラクターのくまもんみたいな)「顔模様」のコムファイが屋台にたくさん吊され並んでいたりします。こうした色モノ系キャラクタたちも、普通の伝統的コムファイやコムローイと同じように、希望や夢を積んで空に飛ばされていくのです。
コムファイに希望を積み込み・天に届け・望みを叶えるためには(コムファイへの)「サイン」が必要なので、空から地上に降ちてきたコムファイを眺めてみれば、そこには夢を望んだ人たちの名前が描かれていたりします。それは、まるで「空に浮かべられた絵馬」のようで、少し切なく・懐かしくなります。