hirax.net::Keywords::「焦点位置」のブログ



2009-07-20[n年前へ]

画像処理で「ボケ」を生成するコンパクトデジカメ 

 富士フイルムが画像処理で「ボケ」を生成するコンパクトデジカメ「FinePix F70EXR」を発表した(FinePix FX-F70EXR SFX-F70EXR GM )。

また、新たに「ぼかしコントロール」機能を搭載したのも特徴。同機能では、1回のシャッターでピント位置を変えて自動連写することで、カメラが自動で主要被写体と背景を判断。カメラ内で主要被写体と背景の画像を別々に処理し、背景のぼかしを強調した画像を生成する。

 焦点深度を変えた複数画像から、あるいは、今回の富士フィルムの製品のように焦点位置を変えた複数画像から、レンズのボケを人工的に生成するカメラはいつか出てくるだろうと思っていたが、そんなカメラがようやく市場に登場した。

 光学系というハードウェアと画像処理アルゴリズムというソフトウェアをどのように使うかという配分を考えた時、光学系を形造る材料・製造のコストと画像処理を行うためのさまざまなコストを天秤に載せてみれば、こんな「画像処理で「ボケ」を生成するコンパクトデジカメ」の誕生は必然だと思う。小さくて・軽くて・安いカメラで、そこそこの画質でよくて、なおかつ綺麗で楽しい画像を実現することを考えれば、「ボケ」は画像処理で生成するのが一番だと思う。

 「ボケ」を画像処理で生成するのであれば、たとえば、右の画像のような縦と横に虹色に輝くクロス・フィルター的なボケにしたり、あるいは、円形のボケにしたり・六角形のレンズの絞り形状風のボケにしたり・・・と自由自在に写真を撮ることができる。つまり、カメラのサイズは小さく薄いままで、自由自在に「レンズ」を変えることができる。そんなカメラが嬉しいことにようやく登場した。

 「小さく・薄い」のに、自由自在に「レンズ」「フィルター」を変えることができるカメラが、これをきっかけに、たくさん出てくると良いなと思う。

2012-12-14[n年前へ]

普通のカメラで焦点位置を自由に変えた効果を与えるツール 

 (被写界深度を浅くして)焦点位置を変化させつつ撮影した動画・写真群からLytroカメラ風の”後から焦点位置を自由に変更できる”写真風な効果を自動生成するツール。「Lytroを買わずにふつうのデジカメでピント可変の写真を作れる–The Chaos Collectiveのハック」(Camera HACK: DOF-Changeable Photos with an SLR

2013-01-06[n年前へ]

ライトフィールドカメラを「妄想カメラ」にしてみよう!? 

Lytroカメラで作る「透け透けカメラ」

 深夜、「ユー・ガット・メール!」とコンピュータが音声アナウンスしました。 確認すると、こんな指令メールが届いています。

 目の粗い生地の服を着た人を見かけます。 たとえば、「2方向以上から撮影した画像」とか「(数コマ撮影した)動画」をもとにして、衣服を透けさせることは可能なのでしょうか?
 この指令メールに答えるために、2013年が始まるこの時期=”年始”の時期に合わせ、「”念視”カメラ(透け透けカメラ)」を作ることができるか?に挑戦してみることにしました。

 カメラレンズと被写体の間に(たとえば)レースのカーテンのようなものがあったとしても、大きなレンズ(つまり被写体をさまざまな異なる向から眺めるレンズ)で撮影すると、ピントがあった箇所だけを(強調して)写し取ることができます。 つまり、「繊維の目が粗い衣服」を着ている人がいたとき、口径の大きなレンズで・衣服の内側の体表面にピントを合わせて撮影すれば、衣服を透けさせ・(衣服の)内側を映し出すことができる、というわけです。

 しかし、一般的なカメラがピントを合わせることができるのは、ごく単純な平面(単純な曲面)上の領域になりますから、複雑な形状をした(衣服の内側にある)体表面にピントを合わせる、といったことはできません。 そこで、今回は「任意(全て)の点に対してピントを合わせることができるカメラ」を使うことにします。 、

 使用するカメラ、繊維の目が粗い服を「透けさせてしまう」カメラとして使うのは、ライトフィールドカメラというジャンルに属するLytroという名前のカメラです(参考:ライトフィールドカメラを「巨乳ビジョン」にしてみよう!?)。 多眼レンズを撮像素子の前に配置させることで、カメラの主レンズに入射する光が来る方向と輝度を撮影することができる特殊カメラです。 このカメラで、「繊維の目が粗い衣服」を着ている人を、(衣服と人の空間ディメンジョンに対して)口径の大きなレンズで撮影=異なる方向から撮影し、写された三次元領域の中にある「(衣服繊維色とは違う)肌色」の部分を抽出すれば、衣服の向こうを透かして見ることができる「妄想カメラ」のできあがり、というわけです。

 Lytroカメラで作る「妄想(透け透け)カメラ」のモデル は、右の写真、身長21cmのスタイリッシュな方です。そして、「(お洒落な)目の粗い衣服」はローソン100で「三角コーナー用水切りネット」を切って作りました(右の写真は水切りネットを4枚重ねしていますが、今回の実験ではネット1枚のみで衣服を作りました)。

 この(目の粗い衣服を着こなした)モデルさんを、後から任意の位置にピント合わせをすることができるライトフィールドカメラLytroで撮影したのが下の写真です。 この写真の上でマウス操作をしてみれば、後から焦点・視点位置を変えることができることがわかると思います。

 Lytroカメラで撮影した写真群(左は1視点からの画像を再構成した例)をもとに、(写された)三次元領域の中にある肌色部分を抽出したのが、右の写真です。 つまりは、異なる視点から(繊維の隙間を通して)透けて見える肌色を選んでレンダリングし(描き)、繊維を消して見せる妄想カメラです。後から違う方向から見ることができて、後から違う任意の場所に焦点を合わせることができるなら(そして何らかの事前情報があるのなら)、こんな妄想カメラ(透け透けカメラ)を作ることもできるだろう、というわけです。

 

 「衣服を透けさせるカメラを作ることができるか?」…その答はYES!です。そういうものを作りたいと思う心、そこにほんの少しの技術をトッピングすれば「作れないものはない」…それが答えです。

ライトフィールドカメラを「妄想カメラ」にしてみよう!?ライトフィールドカメラを「妄想カメラ」にしてみよう!?ライトフィールドカメラを「妄想カメラ」にしてみよう!?






Lytroカメラで作る「透け透けカメラ」 

 『ライトフィールドカメラを「妄想カメラ」にしてみよう!? -Lytroカメラで作る「透け透けカメラ」- 』を書きました。

「衣服を透けさせるカメラを作ることができるか?」…その答はYES!です。そういうものを作りたいと思う心、そこにほんの少しの技術をトッピングすれば「作れないものはない」それが答えです。



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