2001-07-30[n年前へ]
■ニセ札作り
本屋でニセ札作りの記事を見かけたが、カラープリンターは個々の機器情報を出力画像全面にわたってこっそりと印字している機種が多いから、気をつけた方が良いと思う。出力画像を良く眺めてみればすぐに判る話だが。
2008-12-24[n年前へ]
■「プリンタで偽造したナンバープレート」と「速度取り締まり機の撮影波長」
スラッシュドットで「レーザープリンタで光沢紙に車のナンバープレートを出力し、スピード違反取締りカメラを騙す」という記事を読んだ。この記事を読んでふと疑問に感じたのが、「プリンタで偽造したナンバープレート」をどの程度鮮明に「速度取り締まり機」で撮影することができるか、ということである。
なぜかというと、レーザープリンタで使われるインク(トナー)は赤外光をほとんど吸収しないからである。カーボンブラックを使った黒いインクは赤外線を吸収するが、それ以外のマゼンタ・シアン・イエローといった色インクは赤外線をほとんどそのまま透過させてしまう。右下の図が、光の波長と透過率を示したグラフである(ディジタルハードコピー技術 P.119)。赤外線で眺めてみれば、カラーインクはほぼ透明に近いということがわかるだろう。
一方、速度取り締まり機、オービスは赤外光で走る車を撮影する。つまり、カラーインクが光吸収しない波長領域で、ナンバープレートを見るのである。・・・ということは、もしもナンバープレートに描かれた「緑色の文字」をイエローとシアンのインクで描いたなら、それはオービスにとってみると「淡い色の文字」にしか見えそうにない。
実際には暗い緑色を描くために黒インクも使われるだろう。しかし、もしも、イエローとシアンだけを使ってプリントしたなら、そのナンバープレートに描かれた文字は、オービスにはほとんど判別できない(透明)色になってしまいそうだ。人間が見ると、白地に緑色の(それほど不自然でない)ナンバープレートに見えるにも関わらず、である。
一体、「プリンタで偽造したナンバープレート」は「速度取り締まり機」で眺めてみると、一体どのように見えるのだろうか。どのくらい違って見えるのだろうか。
自分の目で見たものと他人の目が見るものが違うように、自分の目で見るものと機械が同じとは限らない。機械にはどんな風に見えるのか想像してみて、そして、検証してみることが大切なのだろう(参考リンク)。