2010-02-12[n年前へ]
■「転職したい企業ランキング」をクラスタ分析してみる (初出:2006年02月21日)
「エンジニア3000人大調査!転職したい企業ランキングBEST10」という記事を読みました。「エンジニア3074人に向けて実施した転職に関する意識調査をもとに、エンジニアが転職したい企業と理由を明らかにする」というものです。そこには、アンケート結果から「転職したい企業ランキング」と「その企業を選んだ代表的な三つの理由」が挙げられています。
そこに書かれている「理由」は、それらの企業で働いている人たちではなく、転職先としての「イメージ」です。そのイメージは、実際には、その企業の実情とは異なっているのかもしれません。
しかし、「その企業へ行きたいと思う人たち(未来のその企業の社員)の意識・指向」がそこに示されていると考えてみれば、そういった「イメージ」も、ある程度は、それらの企業の雰囲気と遠くないものだ、という見方もできそうです。
ところで、記事中では「転職したい企業トップ10 (とその理由)」が挙げられているのですが、そのランキングをただ眺めているだけでは、今ひとつ特徴が見えてきません。たとえば、挙げられている企業の特徴などは、眺めているだけでは、なかなかわかりません。
そこで、「転職先として選んだ理由」をもとに、各企業に対してクラスタ分析をしてみました。その結果が右上の図になります。この図では、左側に各企業が(縦に)並んでいて、似ている(近い)企業どうしが線で(左から順に)結ばれていきます。
たとえば、トヨタ自動車と日本電気は、とても似ているのようで、わりにすぐ(左の位置で)線で繋がっているのがわかるはずです。また、トヨタ自動車と日本IBMなどはかなり遠く(似ておらず)ずいぶん後になってから(つまりは、右の位置で)ようやく線で繋がっていることがわかると思います。こうして眺めてみれば、各企業の特徴や似ている企業探し、などが簡単になります。
例を挙げると、トヨタ自動車と日本電気の「繋がり」は「長期的な安定性」繋がり、です。また、上半分のグループは「給与・待遇がよさそう」繋がりで、下半分のグループは「技術者が働きやすい環境・設備」繋がり、です。…とそんな風に眺めていくと、色々なことが見えてきます。
ちなみに、この記事を眺めながら、「このランキング中に登場しているある企業の社員の方」に、「この中に転職したい企業はあります?」と聞いてみました。すると、その人は「このクラスタ分析で(その人の勤める企業と)隣あっていた二つの企業(本田技研工業と日本IBM)」を挙げたのです。ということは、「自分が入りたい企業」を眺めるとき、意外このクラスタ分析の結果は役に立つものかもしれません。
あなたなら、どの企業に転職・入社してみたいと思いますか?もしも、このクラスタ分析結果に示されている会社で働いている方がいたら、この結果をを眺めたとき、どんなことを思うでしょうか?
2011-05-08[n年前へ]
■クラスター解析を用いた「風俗店の立地戦略」解析
慶應義塾大学経済学部「研究プロジェクト」の研究成果、「性風俗店の立地に関する研究 ―川崎の南町と堀之内を対象地域として―」から。
各店舗のウェブページと電話調査 によって、距離・路線価・総額・時間・分あたり・在籍数の計6つの指標をもとに主成分分析とクラス ター分類を行った。
…クラスター分類を行った結果、価格帯によって4つのクラスターに分類でき、それぞれ総額が高 い順から高級店・大衆店・割安店・格安店と名づけた。各指標において、それぞれの分類と全体の平均 を比較した結果、距離に関しては総額が高いほど川崎駅から遠くなることが確認された
つまり高級店であるほど駅から遠く、格安店であるほど駅から近くに立地する。しかし、大衆店と割 安店の平均距離が逆転している。この要因を考察すると、大衆店は値段の設定が中途半端で強みがない ためなるべく客を引き付けるべく駅から近くに立地し、一方割安店は分あたりの値段が格安店並みで時 間も長いので、その分強みがあり集客力があるため駅から遠くに立地するという考察に至った。