2008-06-24[n年前へ]
■BOSEの「スピーカー」実験用ビックリハウス
スピーカで有名なBOSEの技術紹介資料を眺めていて一番おもしろかったのが、 マサチューセッツ州フレミングハムの本社内にあるという「90度グルリと回転させた」リビングルームである。 写真を見るとわかるように、その部屋に人が入った人は、通常であれば壁の部分を歩き回ることになる。 まるで、遊園地にあるビックリハウスのような試験室なのだ。
この不思議なリビングルームは音響効果を試験するための部屋である。 たとえば、カーペットで敷き詰められた床が鉛直方向にそそり立っているため、埃やゴミがちり積もることがない。 だから、掃除機をかけたりする必要もないし、そのために部屋の音響特性が変わることもない。 また、カーペットの上を歩き回ることで、カーペットが踏み固められてしまうこともない。 あるいは、すべての家具は「床=壁」に完全に固定されているため、家具配置が変化し音響特性が変わることもやはりない、というわけである。
こういった「既成概念に囚われないとても柔軟な発想」で作られたものを見ると、とても新鮮な驚きと楽しさを感じて、とても楽しくなる。そんな楽しさが未来を作っていくのかもしれない、と思う。
2009-11-25[n年前へ]
■NEWS今昔物語「浮かぶ・伝える・蘇る」編 (初出2004年09月30日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
ハードウェア・・・というより、(それがソフトウェアであったとしても)できあがっていくようすが見た目にわかるモノを作るというのは、その作業過程との辛さと楽しさがわかりやすいだろう、と思います。こうしたものの「わかりやすさ」、あるいは、そうでないものの「わかりにくさ」というのは、(想像力を備えた人でなければ)両方を体験・実感しないとわからないのではないか、と思うこともあります。どちらが優れているとか、どちらが劣っている、という話ではありません。ただ、どちらも、世の中には在り・必要とされている、というだけの話です。
昔、ヘリウムネオンレーザと表面鏡と分解したスピーカ2つを組み合わせて、レーザースキャナを自作したことがあります。その時は、出力5mWのレーザでした。後に、出力15Wの切削用レーザを使う機会があった時、これで、レーザースキャナを動かしたら、夜空にレーザ・アニメーションを描けるのではないか、と楽しく想像した記憶があります。
「手を繋ぐ」というインターフェースはとても大切だ、と思ってしまうのは、20世紀の感覚かもしれません。けれど、他の部を使うコネクションに比べても、「手を繋ぐ」というI/Fは重要に思えてしまう、のが不思議なくらい「近く」「繋がる」ように感じてしまうのが不思議なところです。人によっても、世代によっても、さまざまなことによって、この感覚はきっと違うことでしょう。
(記事を書いた時の)ひとこと
最近ハードウェアをいじることが少なくなってしまったせいか、ピカピカ光ったり、グルグル回ったりする電子オモチャを作ってみたい今日この頃。そこで、電子工作関連のニュースを今回は集めてみた。
空に浮かぶ「イメージ」や「ゲーム」
今年の夏休みの課題としてレーザープロジェクタを自作した人がいる。近所のビル外壁にギコ猫をこっそり投射したりしていて、何だかとても楽しそうだ。
光で走査してイメージを描くと言えば「LEDなどを空中で走査し、視覚の残像現象を利用して空中に画像や文字を描く装置」を「バーサライタ」というが、そんなバーサライタをレゴとプログラマブルICのPIC 16C84で作った人もいる。これも十分楽しげな電子工作だが、さらにスゴイのが「バーサライタで画面を空中に表示するバーチャル・ビデオゲーム(テトリスやテニスゲーム)」を作った人だ。空中にメッセージを浮かべてみたり、ゲームを浮かべてみたり、あなたの心にも何か面白い「イメージ」が浮かんでくるかもしれない。
FPGAで蘇る懐かしの「マイコン」
先月の28日、NEC PC-8001が発売された1979年9月28日(NECパソコン博物館も参考になる)からちょうど25年経った。PC-8001が初めての「マイコン」だった人も多いと思うが、それをFPGA(Field Programmable Gate Array=プログラマブル集積回路)で作りあげてしまった人がいる。ちなみに、私の最初のマイコン(1981年発売のCOMMODOREのVIC-1001)もFPGAで再現されているし、 アーケード・ゲーム(スペースインベーダーやパックマン)などもFPGA上で動いていて、古くからのコンピュータ・ファンならば思わず涙を流してしまうはずだ。
ちなみに、10月29日(東京)と11月5日(大阪)に開催されるAltera PLD WORLD 2004ではアスキーらにより報告 FPGAを使ってMSX1レベルの機能を再現する試作機も報告される。FPGAユーザーはもちろん、懐かしの「マイコン」を振り返りたい人ならば要チェックだ。
触れて伝える「メッセージ」
先月、USB接続のRFID開発キットが市販されるようになり、一般の人でも無線ICタグの開発を楽しむことができるようになった。そんな無線通信で遊ぶのも楽しそうだが、さらに楽しそうな「究極」の有線通信技術が実用化された。
なんと、先月13日に松下電工が「人体を通信ケーブルの代わりに利用し、データ通信をおこなう」という「人体通信」技術を製品搭載したと発表した。指先を情報端末の電極に触れたり、あるいは手を触れあうだけで、その指や指を通してデータを転送するものである。通信速度もこれまで発表されていた1200bpsから3700bpsに高速化しており、人体経由の割には高速であることもビックリだ。触れて伝える「メッセージ」なんて、ちょっとドキドキしてきませんか?「歌うハードディスク」や「歌う花」
先月22日、活けた花をスピーカーにしてしまう「花スピーカー」を利用した「花に話しかけると花が答えてくれる-花とおしゃべり-」とハンズフリー電話「花・糸電話」が発表された。花が歌い出したり、花と語り合うのは何だか気持ち良さそうだ。しかし、花ならぬハードディスクがもしも耳慣れない音(Oliver@「スラッシュドット ジャパン」さんのHDDが壊れる直前、壊れる瞬間の音が参考になる)を奏で始めたら、冷汗ダラダラだろうか?
そんなクラッシュしてしまったハードディスクに音楽を奏でさせてしまった人がいる。「音楽アンプの出力をハードディスクのヘッド制御コイルに繋ぎ強制ドライブしまう」という「耳から手ェ突っ込んで奥歯ガタガタいわしたろか」というヤクザもビックリの強引な方法である。その音色を聴いてみると(例えばSTAR WARSのテーマ)、これがそれほど悪くない音質であることにもビックリするハズだ。