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2009-10-30[n年前へ]

どの年代の人々にとっても本当は言えること 

 万城目学のエッセイ集「ザ・万歩計 」から。

 (ラスト)すっからかんになって、また高校の校庭に自転車で戻ってくる主人公の二人。最後のシーン、シンジがマーちゃんに言う。
 あれは別に若者を意識した言葉ではなく、そのとき北野武が抱いていた「素」の気持ち、等身大の言葉だったのではないか。長い芸人生活を通じ、たけしは四十を超えてブレイクする人、二十年間苦渋を嘗め続ける人、たくさんの人間の生き様を見てきたはずである。
 どの年代の人々にとっても本当は言えることを、たけしは若い二人に言わせたのではないか。
「俺たち、もう終わっちゃったのかな」
「馬鹿野郎、まだ始まっちゃいねえよ」

2009-11-01[n年前へ]

無駄に終わる経験など何一つない 

 万城目学のエッセイ集「ザ・万歩計 」から。

 小さなことからコツコツと。とはご存知西川きよしの名言であるが、まあ、世の中とは得てしてそういうものだなあ、と近頃ようやく思えるようになった。どんなことも積み重ねが大事であり、無駄に終わる経験など何一つないのだ、と近頃ようやくわかるようになった。
 それは万歩計の目盛りを一つずつ増やす作業にどこか似ている。少し歩いたくらいじゃ、確かに何の意味もないのかもしれない。だが、目盛りの数字が(後略)



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