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2010-02-04[n年前へ]

本当にいいものは太陽の方を向く 

 北村薫の「朝霧 」 

 本当にいいものはね、やはり太陽の方を向いているんだと思うよ。

 4歳くらいの頃、長野県の野辺山という高原に越した。太陽が空に昇っている時刻には、いつも太陽の方向を向いている巨大なパラボラアンテナ=朱色の電波望遠鏡が、その高原には何基も立っていた(参考:宇宙経由 野辺山の旅 )。向日葵(ひまわり)のように、それら、離れた所に立っているいくつもの巨大なパラボラアンテナたちは、いつも太陽の方を向いていた。そんな風景の中で暮らしていた頃を思い出す。

2010-09-25[n年前へ]

「あぁ、これだけ損ができる」 

 「明日に-」という言葉だけが書かれたページから始まる、北村薫「朝霧 」の中にこんな言葉があります。

「損をするのが分かっていても、出さなきゃいけない本って多いでしょう。本屋が稼ぐっていうのは、売れない本のため。一億入ったら、”あぁ、これだけ損が出来る”と思うのが、本屋さんなの」

 「これだけ損が出来る」ということが「豊かさ」を作るのだろうか、と思うことがあります。もしかしたら、「損が出来ること」こそが「豊かさ」なのかもしれないとさえ感じることも あります。宵越しの金は持たない江戸っ子なぞは、さぞかし「豊か」に違いない、と考えるのです。

 どんな"損が出来る”のだろう、とふと考えます。何のための損をしたい」のだろうか、と煎じて詰めて考えてみたりします。



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