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2011-07-05[n年前へ]

東京湾に浮かぶ島の浜辺に行ってみよう!? 

 川崎大師の先、人影のない「ちどり公園」の中央近くにある廃墟(のような小高い建物)の地下から「川崎港海底トンネル(人道部)」を走れば、東京湾の海底を1kmほど進むと、東京湾に浮かぶ東扇島にたどりつきます(参考:海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」)。そして、そんな東扇島の最北東部、つまり、東京湾の奥に位置するのが(入場無料の)東扇島東公園です。

 東扇島は羽田空港の向かいに位置するので、飛行機の離着陸を近くに見ることができ、東京湾の波間の上を行き交う巨大船を間近に眺めることもできます。休日の昼間にはバーベキューをしている人たちもいますが、平日の昼〜夕方には人影はほとんどありません。海の向こうに見えるビルや工場群を見ながらキスを交わし合う恋人たちもいたりしますが、それでも、数百メートル四方には「人の密度は十人/km^2」ほどしかいないような気がします。

東京湾には、自然の島も浮かんでいれば、驚くほど広い面積の人工島がたくさん浮かんでいます。人工島、たとえば、東扇島には波が砂浜を撫で続ける浜辺もあったりします。

 自転車を漕いで行くのなら、JR川崎駅東口から川崎大師方面に20〜30分。あるいは、公共交通機関で行こうとするなら、川崎市バス 川05系統東扇島循環の座席に「東扇島東公園前」バス停まで座る。…バたったそれだけで、東京湾に浮かぶ人影の少ない幻想的な「浜辺」に辿り着きます。

 羽田空港から世界へ飛び立つ飛行機や、炎を噴出し続けるフレアスタック(ガス焼却施設)や、私たちが毎日眺める景色を海の向こう数kmの先に眺めることができる「浜辺」は、ふだん眺める景色とは全く別の世界を眺めることができる、そして、JR川崎駅からほんの20分ほどで辿り着くことができる場所です。

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2011-07-07[n年前へ]

海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」 

 東京や横浜…つまり京浜地区には、「真っ直ぐ走る道」がほとんどありません。けれど、人知れず「都心近くの街をただひたすらに直線的に伸びる道があります(参考:東京に走る「長い長い直線道」を走り抜けてみよう!)。

 東京にも「真っ直ぐな道」があります。それは「比較的最近作られた、地図上に線をひくことで人工的に作られた”新しめの”街道」です。それらの道は、東京という場所を念頭におけば、知らない人が驚くに違いないくらいの距離を、ひたすらまっすぐ走ります。
 今日走り抜けてきたのは、1km強の距離をただひたすらに真っ直ぐ伸びる道です。

 1kmなんて、いくらなんでも短くない?という人も多いことでしょう。けれど、それが海底のさらに下を走る海底トンネルだとしたら、どうでしょう。しかも、その海底トンネルが人と自転車しか通過させず、そして、その海底トンネルの入り口が「人影のない寂れた公園の片隅」にひっそりたたずむ廃墟の地下から密かに東京湾の人工島まで伸びている…となれば、その1kmの海底トンネルはとても魅力的に思われるのではないでしょうか。そして、その東京湾・川崎沖に浮かぶ人工島には浜辺もあって(お台場ではありません)、海の向こうには工場のシルエットが浮かんでいる…としたら、どうでしょう?

 フランス、パリの地下に走る下水道を歩くとき中世の歴史に思いを馳せることができるように、東京帝都の地下を垣間見るときタイムスリップができるように、羽田空港のすぐ横、多摩川河口のすぐ近くの海底を直線的に1kmばかり走る「川崎港海底トンネル(人道部)」の中に入ると、なかなか味わうことができない時空間の旅をすることができるような心地になります。

 下に貼り付けた動画は、川崎駅から東京湾方向に進んだ(周囲数百メートルには人はいなく、ただ野生の凄みを感じさせる野良猫たちしかいない)「ちどり公園」の中にひっそり隠れる「川崎港海底トンネル(人道部)」の(100%廃屋にしか見えない塔の下に)入り口から、東京湾に浮かぶ東扇島まで、東京湾の海底の下を1km強の距離を走り抜けた5分の間に眺めた景色です。

 足音や機械音や警報だけがこだまする、不気味さを感じさせるこの通路の上には、海があります。そして、その海の上を(羽田空港から離着陸する)飛行機が飛び交っています。近くを走っているだろう東京湾アクアラインから見ることができる景色とは、全く別の長い・長い地下道を、今日、走り抜けてみました。

 海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」は、二十一世紀の京浜地区に現存する有数の「オーパーツ」です。ひとり鍾乳洞を歩いてみたい…ひとり地下水湖を眺めてみたい…そんな好奇心を感じたことがある人には(そういう我らが冒険・実験野郎な人たちだけには)、とてもお勧めしたい直線コース…それが海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」です。

 野宿は必ずしも安全ではありません。本誌はおもいっきり野宿をすすめようとしていますが、その影響力は雨粒ほどです。しかしもしかして、これを読んで野宿に行ってくれる奇特でスバラシイ人がいて、運悪く危険な目にあったとしても本誌に責任はありません。自己責任という言葉は嫌いです。そんな時はなんでもかんでも太陽のせいにしましょう。

 かとうちあき「野宿野郎」

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