2009-04-14[n年前へ]
■「時に、無神経でいられること」
江國香織 「十五歳の残像 」から。
十五のころといまとで、いちばん変わったことはなんですか、と、最後に訊いた。宮本さんは少しだけ考えて、
「無神経でいようと思ったら、いられるようになったことかな」
とこたえた。丁寧な口調で。
「やわらかく強靭なひと――――宮本文昭さん」
2009-12-03[n年前へ]
■江國香織が描く22人のインタビューイの物語
江國香織「十五歳の残像 」への感想から。
よくあるインタヴュー集とはひと味もふた味も違うものになっています。それはたぶんインタヴューアーとインタヴューされる側の発言をそのまま載せるスタイルではなく、江國香織が自分でインタヴューしたものを元にして、あらためてひとつの物語として完成させているからだと思います。
彼女が意図してたのかどうかは分かりませんが、この本を読んでると、インタヴューされる側がみな、江國香織の小説の中の登場人物のように思えてなりませんでした。インタヴュー集と言うよりは、江國カラーたっぷりのひとつの物語って感じです。
大人と子どもの間で揺れる、どっちつかずの少年時代。格好いい大人たちは、どんな15歳を過ごしてきたのか。江国香織の緩かなまなざしが、22人の思春期を鮮やかに甦えらせる。
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