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2010-09-08[n年前へ]

「島の時間」と「数字を忘れろ」 

 GRAPHICATION(グラフィケーション) 2010 no.170 通巻359号 特集「島へ」から。

 「お仕事は一日何時間ほど続けますか?」
つい、おろかな質問をした。
 老人は丁寧に答えてくれた。「さあ、日が暮れるまでですよ。疲れたら休んで、またやって、なにも義務づけられたもんでもないし、もう疲れたなと思ったら放っておいて」
 (中略)
 たとえば、竹富島で会った老人に、私はたびたび「時間」のことを尋ねた。働くのは何時間か、何時に起きるのかとか。おりかな質問だ。聞きながら「数字を忘れろ」と自分を責めていた。

辰濃和男 「島の時間」

 「グラフィケーション」は、無料で定期購読できるのに最高の内容が詰まったグラフ誌です。もしも、まだ読んだことがない人がいたら、このグラフ誌の「時間」が来る前に、読んでみることを強くお勧めします。

 島を単純に見れば、その外見からとかく孤立し、離れ、隔絶した存在と考えられがちですが、逆に海からの視点で見れば、世界中の港に“つながる”開かれた場所とも言うことができます。人が島に魅せられる理由はさまざまですが、大まかに言えば、豊かな自然と島に流れる独特の時間にあると言っていいでしょう。夏休みには少し遅い特集ですが、人と人、人と自然が間近に向き合う島の魅力について考えてみました。

『島へ』
2010年度のテーマ “つながり”を求めて

 高度に発達したIT、さまざまな技術や大量・高速の輸送手段などによって、人と人、人と社会のつながりが昔に比べより深まり、信頼や絆が強まったと言えるのでしょうか。便利な道具やサービスが仲介することで交流範囲はかつてない広がりを見る一方、人と人の濃密な係わり合いはむしろ希釈化されているかもしれません。昨年の「新しい関係の哲学」に続き、"つながり"をテーマに身近な日常の光と影を追います。



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