2010-03-26[n年前へ]
■科学万博が見せてくれた21世紀への夢や希望
「テーマ展 科学万博 - つくば’85-記念品と資料で振り返る25年前の祭典-」のチラシ(PDF)裏に書かれた言葉から。
あの時、科学万博が見せてくれた21世紀への夢や希望を、現実の21世紀を生きる私たちが忘れずに引き継いでいけるよう、この展示会をご覧いただければ幸いです。
そして、その1985年に発行された、(「グラフィケーション」で連載されていた(坂村健、渡辺茂、村上陽一郎、竹内啓ら19人による)対談11編が収録されている)グラフィケーション編集部編「科学技術を考える 」の冒頭に掲げられた言葉から。
万博会場の自動翻訳機を使って、エスキモーとケニア人が対話している。いまや、世界中が科学の力で結ばれている。ロボットにピアノを弾かせたり、似顔絵を描かせることが流行している。しかし、そんなことができたからといって、世界中に渦巻いている異民族間、異文化間の問題が何か一つでも解決したわけでもない。
1985年6月 グラフィケーション編集部
2010-03-31[n年前へ]
■今日の平準化された世界では・・・。
無料で購読できる、最上級のグラフ誌GRAPHICATION No.167 中の昼間 賢 『世界史に取り残された「地方語」の輝き』から
今日の平準化された世界では、正の特徴があれば無論のこと、負の特徴でも、ないよりはいいのだろう。それを逆に用いれば、うまくいくこともある。
大事なことは、プラス(マイナス)アルファを持つことだ。二つの眼球が一つの目であるように、物事の認識には二つ以上の視点が必要である。
「本当の自由は、脇ですることにあるんだ」と語るダニエル・ロッドー。中心が消えた今日の世界では、自分の特徴を、他者との関係において、いかに行使するかに自由が介在する。ただ一つ手放してはならないもの、それは実感だ。
2010-09-08[n年前へ]
■「島の時間」と「数字を忘れろ」
GRAPHICATION(グラフィケーション) 2010 no.170 通巻359号 特集「島へ」から。
「お仕事は一日何時間ほど続けますか?」
つい、おろかな質問をした。
老人は丁寧に答えてくれた。「さあ、日が暮れるまでですよ。疲れたら休んで、またやって、なにも義務づけられたもんでもないし、もう疲れたなと思ったら放っておいて」
(中略)
たとえば、竹富島で会った老人に、私はたびたび「時間」のことを尋ねた。働くのは何時間か、何時に起きるのかとか。おりかな質問だ。聞きながら「数字を忘れろ」と自分を責めていた。
辰濃和男 「島の時間」
「グラフィケーション」は、無料で定期購読できるのに最高の内容が詰まったグラフ誌です。もしも、まだ読んだことがない人がいたら、このグラフ誌の「時間」が来る前に、読んでみることを強くお勧めします。
島を単純に見れば、その外見からとかく孤立し、離れ、隔絶した存在と考えられがちですが、逆に海からの視点で見れば、世界中の港に“つながる”開かれた場所とも言うことができます。人が島に魅せられる理由はさまざまですが、大まかに言えば、豊かな自然と島に流れる独特の時間にあると言っていいでしょう。夏休みには少し遅い特集ですが、人と人、人と自然が間近に向き合う島の魅力について考えてみました。
『島へ』
2010年度のテーマ “つながり”を求めて
高度に発達したIT、さまざまな技術や大量・高速の輸送手段などによって、人と人、人と社会のつながりが昔に比べより深まり、信頼や絆が強まったと言えるのでしょうか。便利な道具やサービスが仲介することで交流範囲はかつてない広がりを見る一方、人と人の濃密な係わり合いはむしろ希釈化されているかもしれません。昨年の「新しい関係の哲学」に続き、"つながり"をテーマに身近な日常の光と影を追います。
2010-11-13[n年前へ]
■「わかりやすいことには、どこかに必ず嘘が含まれている」
無料で読むことができる(この雑誌を読まないのは一生の損です)、けれど屈指のグラフ雑誌である、グラフィケーション GRAPHICATION 2010 No.171 特集「師弟関係」中の、玄田有史「師を語る - 石川経夫が生きていたら」から。
石川がなくなった後、世間で重視されるのは「わかりやすさ」ばかりになった。なんでも「わかりやすい」が一番。
しかし、わかりやすいことには、どこかに必ず嘘が含まれている。
「ワークマンシップ」という言葉を知った頃、玄田有史先生は石川経夫からワークマンシップを受け継いだのではないか、という言葉を聞きました。
「師弟関係」という言葉のもとに玄田有史先生が師を語る文章を読み、あぁ確かに「玄田有史先生は石川経夫からワークマンシップを受け継いだのだな」と心から理解したのです。
2015-12-30[n年前へ]
■富士ゼロックス企業広報誌「電子版GRAPHICATION(2)」をPDF化するスクリプト
富士ゼロックスの企業広報誌「グラフィケーション(GRAPHICATION)」は、掛け値無くグラフ誌として貴重で素晴らしい雑誌だった。時代の流れか他事情かはわからないけれど、数ヶ月前に「電子版で再スタートする」という通知がされ、数日前から電子版が閲覧できるようになった。
以前、グラフィケーションについて、「電子版には移行しない。作成にずっと携わってきた編集者が引退する時は閉刊することになるだろう」と聞いたことがあるような気がする。「もったいない」と強く感じ覚えがある。
今回の電子版は、タイトルがGraphication(2)と変わっている。末尾の編集者サインも、今回は以前の(T)ではなくなっている。いつも時代が変わっていくと同じように、グラフィケーションも少しづつ姿を変えているんだろう。
…それはともかく、「電子版でもいいからグラフィケーションは残って欲しい」と強く願っていたはずの自分が、タブレットやWEB表示では不便を感じる体になっていた。そこで、仕方がなく、Ruby / Watirでスクリプトを書いてPDFで保存して読むことにした(OCRは富士通のScanSnapツールに後処理させた)。一回、PDF化してしまえば、PDFで環境依存少なく読むこともできるし、(必要に応じて)紙としてプリントアウトして読むこともできる。
今回書いたスクリプトは、一回ブラウザにレンダリング(ラスタライズ)させてから・OCRを掛けているのは無駄この上ない。しかし、そんな問題を解決するようなスクリプトは、おそらく(私と同じような)グラフィケーション愛読者が一瞬のうちに作成してしまうに違いない。
何はともあれ、グラフィケーションが新たに・続いてくれることが、何より嬉しい。
下記スクリプトは、起動するとFirefoxを立ち上げます。その後、しばらくしてスクリーンキャプチャをしつつページを自動でめくっていくので、FirefoxのウィンドウサイズをA4縦サイズに合うような(画面サイズが許す限りの最大の)大きさにしてください。…また、スクリプト中のURLには「号数」が埋め込まれているので、その数字を書き換えておきます。また、ページ範囲も埋め込まれているので、そのページ番号最大値も書き換えて下さい。
require 'rubygems' require 'watir-webdriver' b = Watir::Browser.new :firefox sleep 10 [*1..63].each do |i| puts i b.goto 'https://graphication2.s3.amazonaws.com/html/001/index.html#/spreads/'+i.to_s sleep 5 b.driver.save_screenshot './capture/'+(100+i).to_s+'.png' sleep 1 end b.close