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2009-05-04[n年前へ]

道路上に記録された「靴裏との摩擦帯電跡」 

犯罪鑑識の科学―計測と情報 (ポピュラーサイエンス)  警察の鑑識課の人たちが捜査をしているようすを放送するテレビ番組を見た。その番組中で興味を惹かれたのが、ビル荒らし事件か何かの犯人の足跡をアスファルト道路上で捜す捜査員たちの作業過程だった。

 一体どのような作業をしていたかというと、

  1. アスファルト上に黒いシートを広げ、その上に白い微粒子粉末を振りかけ
  2. さらに透明な大きなテープを貼り付け
  3. 最後にテープをはがしている
のである。説明によると、アスファルト上を犯人が歩いた部分が帯電していて、こんな作業をすることで(付着した粉末によって)浮かび上がるのだという。

 つまり、アスファルトと靴裏がこすれた部分がプラス(あるいはマイナス)に摩擦帯電し、アスファルト上の帯電分布を帯電した粒子で可視化する、というのである。摩擦帯電した微粒子によって可視化された靴あとを透明テープに写し取ることで、アスファルト上に電荷分布として残された犯人の足跡を記録・解析することができるようになる、というわけだ。

 摩擦帯電をなるべく防ぐような、たとえば、カーボンなどをたソールに混入することで、摩擦帯電しにくいように電気抵抗を下げ(同時に磨耗性・形状なども上手く作られた)靴というのは、工場作業用などでよく見かける。もしかしたら、”足跡を残さない”ということでは天下一品のビル荒らし御用達の靴があったりするかもしれない。

 とはいえ、もしもそんな摩擦帯電防止靴があったとしたら、たとえば靴のソールゴム中にカーボンを入れたとしたならば、黒い靴裏が必須になる。すると、「黒い靴裏」を見た警察官は「この人は、ビル荒らしかもしれない」と思うかもしれない。

 そういえば、私はよく職務質問に会う。それが私が履いている靴がことごとく黒い靴裏のせいだと思うことができたなら、つまり、「黒い靴裏の人たちは職務質問に遭いやすい」ということがその背景にあるのなら、納得できるのだが…。

道路上に記録された「靴裏との摩擦帯電の跡」






2010-06-08[n年前へ]

「平行電極に挟まれた水」はどう動く!? 

 「やってみたい」と思っている実験があります。それは、水道の蛇口から落ちてくる水流に対して、平行電極を設置してみる、という実験です。平行電極に挟まれた水流が(平行電極の)中央辺りで、どんな動きをするかを眺めてみたいのです。あるいは、色んな形状の電荷を帯びた電極を近づけたときの水流の動き方を眺めてみたいな、と思うのです。

 「摩擦帯電されたプラスチック定規やストローを、水道の蛇口から落ちる水に近づけると、水が曲がる」というオモシロ実験があります。実際にやってみると、確かに面白いくらいに水が曲がります。そんな実験の手順書には、「水分子の分極により、水分子は静電気に引きつけられる」という言葉が書き添えられていることが多いように思います。

「なるほど」と考えると同時に、その説明だけでは、何だかきちんと納得することができないような気にもなるのです。なぜそのように感じてしまうかというと、たとえば、もしも、「電界がどの場所でも同じ向き・大きさだったとしたら」、水分子が向きを変えることはあったとしても、一方向に動くことはないように思えてしまうわけです。プラスを帯びた部分(分けられないものに対して部分ということは間違っているかもしれませんが)がある方向に動きたがるとすれば、マイナスを帯びた部分はその逆の方向に動きたくなり、全体としてはプラスマイナスゼロ・・・ということになってしまいそうに思えてしまうからです。

 しかし、「電界がどの場所でも同じ向き・大きさでない場合」には、プラスを帯びた部分とマイナスを帯びた部分でにおける電界が異なるので、全体に働く力は差し引きプラスマイナスゼロとはならずに、特定方向への力を受けるだろう、と思うのです。だから、たとえば、電荷を帯びたストローや定規がつくる電場は、そのストローや定規からの距離に応じて電界が弱まるようなものであり、つまり、「電界がどの場所でも同じ向き・大きさでない場合」に相当するために、電気双極子である水分子が力を受けるのではないか、とも想像してしまうのです。

 すると、平行電極に挟まれた水流の動きを眺めてみれば、平行電極に挟まれた中央部のような「電極間に電位差があるけれども、電界の場所ごとの違いがほとんどないような部分」では、水流があまり曲がることがないさまを見ることができるのではないだろうか、と思えます。…とはいえ、それは「思える」だけで、実際に実験をしてみれば、その想像が正しそうか・間違っていそうかの見当がつくことでしょう。

 というわけで、水道の蛇口から落ちてくる水流に対して、平行電極を設置してみる、という実験を、「やってみたい」と思っているのです。さてさて、一体水流は電極の中心部では曲がるのでしょうか、それとも曲がらないのでしょうか?

 感電しないように気をつけながら、こんな水道の蛇口の前でエレキテルな実験をいつかしてみたいのです。そして、想像が見当違いだとしても、頭の中に「スッキリ」をひとつ増やしてみたいのです。

「平行電極に挟まれた水」はどう動く!?








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