hirax.net::Keywords::「電界」のブログ



2009-10-13[n年前へ]

電界分布の動画撮影用カメラが登場 

 「駆け出しのアナタにも電波の動きが見える,電界分布の動画撮影用カメラが登場」というニュース。現状の2万フレーム/秒での撮影では、「電波の動き」というと少し違うような気もしてしまうけれど、将来的には面白いニュース。

 今回のカメラは,単結晶のZnTe(テルル化亜鉛)の屈折率が電界によって変化することを利用する。その仕組みは以下の通り。ZnTe結晶の上に,観察したい回路を置く。回路に由来する電界により,ZnTe結晶の屈折率が部分的に変化する。ZnTe結晶の窓の下から波長780nmのレーザ光を照射してその反射光をCMOSセンサで撮影することで,ZnTe結晶の屈折率の変化をコントラストの変化として記録し,画像処理してモニタに表示する。デモンストレーションでは,電界(+,-),強度(絶対値),位相を白黒で表示して見せた。

2010-06-08[n年前へ]

「平行電極に挟まれた水」はどう動く!? 

 「やってみたい」と思っている実験があります。それは、水道の蛇口から落ちてくる水流に対して、平行電極を設置してみる、という実験です。平行電極に挟まれた水流が(平行電極の)中央辺りで、どんな動きをするかを眺めてみたいのです。あるいは、色んな形状の電荷を帯びた電極を近づけたときの水流の動き方を眺めてみたいな、と思うのです。

 「摩擦帯電されたプラスチック定規やストローを、水道の蛇口から落ちる水に近づけると、水が曲がる」というオモシロ実験があります。実際にやってみると、確かに面白いくらいに水が曲がります。そんな実験の手順書には、「水分子の分極により、水分子は静電気に引きつけられる」という言葉が書き添えられていることが多いように思います。

「なるほど」と考えると同時に、その説明だけでは、何だかきちんと納得することができないような気にもなるのです。なぜそのように感じてしまうかというと、たとえば、もしも、「電界がどの場所でも同じ向き・大きさだったとしたら」、水分子が向きを変えることはあったとしても、一方向に動くことはないように思えてしまうわけです。プラスを帯びた部分(分けられないものに対して部分ということは間違っているかもしれませんが)がある方向に動きたがるとすれば、マイナスを帯びた部分はその逆の方向に動きたくなり、全体としてはプラスマイナスゼロ・・・ということになってしまいそうに思えてしまうからです。

 しかし、「電界がどの場所でも同じ向き・大きさでない場合」には、プラスを帯びた部分とマイナスを帯びた部分でにおける電界が異なるので、全体に働く力は差し引きプラスマイナスゼロとはならずに、特定方向への力を受けるだろう、と思うのです。だから、たとえば、電荷を帯びたストローや定規がつくる電場は、そのストローや定規からの距離に応じて電界が弱まるようなものであり、つまり、「電界がどの場所でも同じ向き・大きさでない場合」に相当するために、電気双極子である水分子が力を受けるのではないか、とも想像してしまうのです。

 すると、平行電極に挟まれた水流の動きを眺めてみれば、平行電極に挟まれた中央部のような「電極間に電位差があるけれども、電界の場所ごとの違いがほとんどないような部分」では、水流があまり曲がることがないさまを見ることができるのではないだろうか、と思えます。…とはいえ、それは「思える」だけで、実際に実験をしてみれば、その想像が正しそうか・間違っていそうかの見当がつくことでしょう。

 というわけで、水道の蛇口から落ちてくる水流に対して、平行電極を設置してみる、という実験を、「やってみたい」と思っているのです。さてさて、一体水流は電極の中心部では曲がるのでしょうか、それとも曲がらないのでしょうか?

 感電しないように気をつけながら、こんな水道の蛇口の前でエレキテルな実験をいつかしてみたいのです。そして、想像が見当違いだとしても、頭の中に「スッキリ」をひとつ増やしてみたいのです。

「平行電極に挟まれた水」はどう動く!?






2010-11-01[n年前へ]

あなたの「フィールド」はなんですか? 

 "Electric field"を、理学系の人たちは「電場」とという言葉で示し、一方、工学系の人たち「電界」という言葉を用いることが多い、といいます。指しているのは同じ"electric field"であるのに、"field"という言葉が、分野によって「場」という日本語に訳されたり、あるいは「界」という言葉になったりするのです。

 以前、こんな言葉を教えて頂きました。

「野球場と野球界はまったく異なるものを意味している。さて、我々の言う"field"はどちらの意味に近いだろうか?」
この一文は「電場」と「電界」という言葉から受ける違いを考えているものです。もしかしたら、言葉が違うことには「考え方/感じ方」の違いがあるかもしれませんし、あるいは、言葉の違いをきっかけに「考え方/感じ方」に何らかの影響を受けていたりすることもあるかもしれません。(たとえば、アントレプレナーを指す企業家と 起業家という言葉も、想像させるものがずいぶんと違っているように思います)

 ところで、「四則演算を自由にすることができる代数的構造を備えた集合」を数学では「体」と呼びます。英語では、これも"field"です。この場合は、"Electric field"という同じものを指している例ではないですが、代数学では"field"が「体」になるというわけです。

 さまざまな"field"に、いろいろな「filed に対する訳語」を入れてみると面白いかもしれません。たとえば、"Baseball field"なら、「野球界」「野球場」・・・そして「野球体」。「自分のフィールドでがんばれ」なら、「自分の"(世)界"でがんばれ」「自分の"場"でがんばれ」「自分の"体"でがんばれ」・・・といった具合です。意味が通じるものもあれば、意味がまったくかけ離れてしまうように感じるものもあることでしょう。

 あなたはどんな"filed"をご存知でしょうか。あなたは、どんな"filed"が好きですか?あなたの「フィールド」はなんですか?



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