2012-11-05[n年前へ]
■日常生活で役立つ数学の問題「マンション駐輪場割り当て数の将来予測」編
マンションの理事会や管理委員の役職番が回ってきたりすると、マンションの駐輪場の「割り当て数」について頭を悩ませたりすることがあります。たとえば、面積が限られているスペースに、自転車置き場とオートバイ置き場を作らねばならない…けれど、その比率は一体どのようにしたら良いかわからない…といったこともあると思います。
あなたが住んでいるマンションが、100戸入居できる新築マンションで、けれどまだ10世帯しか入居しておらず、その入居済み10世帯の中でオートバイを持っているのは1世帯でたった1台だけだったとします。
残り90戸の入居がまだ行われていない現時点で、「バイク置き場」の個数を決めてしまわなければならないとしたら、あなたは一体何台程度バイクを置くことができるようにしたら良いものでしょうか?
「世帯はバイクを1台しか持つことはない」ものとして、"10世帯の中でオートバイを持っているのは「1世帯たった1台」だけだった"ということをもとにして、世帯がバイクを持つ確率pの(さらに)確率分布を(逆算して)求めてみたのが下のグラフです。
このグラフを眺めてみると、各戸がバイクを持っている確率としては、「確率が一番高いのは1/10程度だけれども、バイクを持つ確率は、それより実は結構高いのかもね」という具合になっています。そして、バイクを持つ確率が上のグラフのような場合に、さらに「100戸全て入居済みになった時点でのバイク保有数予測」をしてみたのが次(下)のグラフです。
10戸入居時点でバイクが1台だけだったから、全部で100戸のマンションならトータル10台のバイク置き場を用意しておけばいいかなと思ったら…わっ!バイク置き場が全然足りない事態になってしまった !?と冷や汗をかくことになりそうです。
日常生活の中では、こんな「ご近所さんの間ですったもんだしがちな割り当て数に関する難問題」に出会うことも頻繁にありそうな気がします。…なんていう風に考え出すと、あぁ学校の勉強をもっと真面目にやっておけば良かった…(泣)と思ったりしそう、です。