hirax.net::Keywords::「乳がん」のブログ



2002-08-17[n年前へ]

A Finite Element Model of the Breast for Predicting Mechanical Deformations during Biospy Procedures 

 F.S.Azarら。これを新幹線の中で読んでるときに、隣にいたくごうさんから「その論文は何?」と言われたときにはドキドキものだったのだ。もちろん、「乳がんの早期発見」のための研究なわけだけれど、図を見るからに「巨乳をはさんで変形させている」ようにしか見えないのだもの。

2009-05-07[n年前へ]

「86cm Cカップの女性のバストの熱分布の計算例」 

 乳がん検査を楽にすることなどを目的に、女性のバスト変形を有限要素法(FEM)で計算したりする研究は多い。バストを変形させたときの形状変化から、バスト内部に変形のようすが通常と異なる異常な組織、つまり腫瘍などが存在していないかを確認する方法を考えるために、さまざまな研究がおこなわれている。

 技術解説書の「エクセルで熱伝導シミュレーション」の小コラムを書くために、熱伝導の計算例を探してみると、その中に「86cm Cカップの女性のバストの熱分布の計算例」があった。それが、右の画像である。(向って)左が温度分布である。温度が単位を持たない数字として表示されているので具体的な温度に換算しづらいが、最も温度が高い(赤色で表示されている)胸板表面に対して、最も温度が低く水色に表示されている部分では、8割ほどの数値になっている。

 この数値が、外界の温度を0(x100)とし、胴体内部での血液の温度を100(x100)というように扱っていると仮定し、適当な数値を入れてみると、たとえば、外界の温度が20℃で、血流の初期値が38℃としてみると、いちばん温度が高い部分が(38-20)*0.6+20=30.8℃くらいとなり、いちばん温度が低い部分が(38-20)*0.5+20=29℃となる。バストの表面の温度分布に2℃ほどの高低が生じている、ということになる。

 計算結果が、左右・上下で非対称な温度分布になっているのは、たとえば、右の画像のようなバスト内部の血管や脂肪や筋などの各組織構造をモデルに入れているからだろう。逆にいえば、こういう計算をしておくことで、実際の温度測定計測結果を見れば、内部の組織構造の異常が推定できるということになる。非接触の(温度計測用)赤外線カメラで撮影するだけで、簡単計測ができたら(マンモグラフィーは痛くて嫌だ、という声もちらほらと見かけるし)「乳がん検査」の敷居が下がるかもしれない。

そういえば、以前、人体の指を(中央線に対して)対称な形状として、熱伝導計算をしたことがある。「湯冷め」を防ぐ「上がり湯」のヒミツ!?として、指先の熱移動が「熱拡散」「血液の移動による直接熱移動」「外部からの冷却」によってのみ行われるものとしてみて、指の熱分布の計算をエクセルでしてみたのである。こんど、練習がてら、同じように「エクセルでできるバスト熱分布計算」でもしてみよう。もちろん、技術解説書には使えないだろうが・・・。

「86cm Cカップの女性のバストの熱分布の計算例」「86cm Cカップの女性のバストの熱分布の計算例」








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