2000-04-16[n年前へ]
■透け透け水着の物理学 第二回
水着の生地を手に入れろ
「透け透け水着の物理学」である。前回、
で「透け透け水着」を調べるための「波長別透過計測システム」を作ってみた。予算は総額4000円である。私からすれば、「透け透け水着」は予算をかけた大プロジェクトであると言っても良い。となれば、次は色々な水着の生地における「透け透け度」を調べたくなるわけであるが、その実験がなかなかできなかった。忙しかったせいもあるが、大きな理由は、
- 手頃な水着の生地が手に入らないので、実験ができない (材料の問題)
私の持っている水着はトランクスタイプで生地もかなり厚い。これでは、「透け透け」であるわけがない(それに、透け透けでは私も困るし、世間も困るだろう)。きっと、競泳用のビキニタイプのものであれば、薄い生地が使われているのであろう。しかし、私はビキニタイプの水着など持っていない。まして、レオタードなど持っているわけがない。
もちろん、他の人に借りるという手もないわけではない。しかし、相手が男であれ、女であれ、
「君の水着を少しばかり貸してくれたまえ。」と言うのは少々危険である。誤解される恐れがなきにしあらずだ。もちろん、実験に協力してくれる方がいらっしゃるならば、私のところまで「透け透け水着」を送っていただけるとありがたい。そういう方がもしいらっしゃれば、メールを頂ければ幸いである。とは一応書いてはおくが、送ってくれる人などきっといないだろう。
「いや、変なことをするわけじゃないんだ。」
「ただ、透け透け度を調べてみたいだけだから、気にしないでくれたまえ。」
というわけで、なかなか実験をすることができないでいた。もちろん、水着と似てそうな生地を頭の上では探してはいた。しかし、「服の生地」という観点から離れられないでいた。そのため、手近なところでは見つからないでいたのだ。結局、
- 服の生地を手に入れなければ、実験ができないだろう
しかし、数日前、怪しさ抜群の職場のK藤氏が私に囁いたのである。舞台は、夜の会議室だ。
K藤氏 「いやァ、hirabayashi君。透け透け水着の話なんだけどねェ。」なるほど、確かに雨傘の生地と水着の生地はよく似ている。水を防ぎ、風を防ぎ、ファッションを重視するのも全く同じだ。気づかなかった。気づかなかったのが恥ずかしい位である。もう、最後のK藤氏の
K藤氏 「ボクもやったことがあるんだけど、結構透ける生地ってあるんだよねェ」
私 「えっ、材料は何を使われました?」
K藤氏 「雨傘の布だよ、hirabayashi君。」
「雨傘の布だよ、hirabayashi君。」というセリフなどは、まるでシャーロック・ホームズの
「自明だよ。ワトソン君。」というセリフのようだ。むちゃくちゃ格好良すぎである。
しかし、よく考えてみると、何やら変なシャーロック・ホームズである。何故、シャーロック・ホームズが「透け透け水着の物理学」を探求するのだ?(人のことは言えないが…)
私 「ちなみに、K藤さん、どこでその実験をされました?」なるほど、想像するだけでスゴイものがある。色々な意味でスゴイ人だ。拳法の使い手でもあり、実は火星人だというウワサもある位のスゴい人である。いや、もしかしたらヒトですらないかもしれない。
K藤氏 「夜、部屋でね。一人でカメラを片手にね。ひッひッひッ。」(誇張無し)
そしてまた、この二人の会話に「何故、どんなことをするのか?」という疑問がないのが不思議と言えば、不思議である。そういったことは二人とも、不思議に思っていないようなのだ。
それは、さておき、私もK藤氏のように、雨傘の生地を使ってみたいと思う。その雨傘の生地の赤外線の透過率を確認してみたいと思うのだ。傘なら家にはたくさんある。何しろ、私は傘を持って外出することがない。雨が降ったら、外出先で傘を買うのだ。だから、家には傘が何本もある。
それでは実験を始めてみる。下の写真が家にあった傘である。どれも外出先で買ったものだ。
そして、前回使ったCCDボードであるが、元々は赤外光投光部が付いていた。前回はその部分をあえて使用しなかったのであるが、今回はそれを使用してみたいと思う。
それでは、このCCDボードを用いて赤外光を照射しながら撮影したものと、普通のCCDカメラで撮影したものでどの位「透け透け度」が違うものかを見てみたい。下に示す写真は左が普通のCCDカメラで撮影したものであり、右が今回のCCDボードを使って撮影したものである。雨傘の生地の向こうにある冊子(JAFMATE)の表紙の透け具合を見てもらいたい。
白、桃、藍色の傘の生地は元々透け気味である。だから、普通のCCDカメラでも少し表紙が透けて見えた。しかし、緑色のものなどは普通のCCDカメラや人間の眼ではほとんど透けては見えない。しかし、赤外CCDカメラでは「透け透け」であった。また、茶色のものなども「透け透け度」が高かった。
もし、こんな生地で出来ている水着を着ている人がいるのであれば、これはもう「裸の王様状態」である(赤外線に感度を持つ眼の生物からすれば)。パラダイスとしか言いようがない。いや、そんなことはないか。
さて、「透け透け度」と色の相関は、色の波長を考えると、ある意味当然だろう。しかし、具体的な話は次回にしたい。生地の波長別の透過率を調べてから、ということにしておく。本来ならば、まずは先にそれをやらなければならない。白色光を用意して、雨傘の生地の波長別の透過率を調べなければならないところだ。
しかし、今回はそれができなかった。何故なら、基準光としての白色光、いつも使用している太陽が今日は出ていないからである。平日の昼間は実験ができない。しかし、週末の昼間にもやはり実験はなかなかできない。というわけで、いつか天気が良くて暇な週末が来たら、必ず「雨傘の生地の波長別の透過率」、言い換えれば、「色んな生地の透け透け度」を調べてみたい。
言うまでもないが、今回もまた「やましい気持ち」で動いているわけでない。私はただ「透け透け水着」に対する純真な好奇心(いや、科学的探求心と言い換えておこう)で動いているのみである。これから、夏に向けて「透け透け水着の物理学」はまだまだ進んでいく予定である。そして、水着を買う際の参考にして頂くことを切に切に望むのみである。
2003-03-12[n年前へ]
■今日のビックリ・競泳ビキニ編
今はどうか判らないけれど、ちょい前の競泳ビキニは「すぐ熔ける」という話でビックリ。ちょっと熱いコンクリートに座ったりすると、すぐ熔ける…とか。だから、二枚履きする、とか。いや、ビックリ。