2010-04-06[n年前へ]
■「メディア・ディペンデント」
十年ほど前、ある本の「あとがき」に、こんな文章を書きました。
インターネットにあふれるWEBページのことを「便所の落書き」と呼んだ人もいます。もし、インターネットのWEBページが「便所の落書き」なのだとしたら、この本は「便所の落書き帳」ということになります。ただ、思いつくままに「便所の落書き」を描き続けていたら、いつの間にかこんな本になりました。今では絶対に手に入らないだろう希少本ですし、WEBというメディアで書かれた記事を上手く紙というメディアに翻訳することができなかった…など致命的な難点が多々あったりするのですが、一番好きな落書きの「サンタが街にやってくる」が唯一収録されていることもあり、とても思い出深い最初の一冊です。
その後に出した本を考えてみると、たとえば「論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書) 」は最初から書籍として作ったもので、(本としての)ページの割り付け・ページ内のデザインなど、最初の最初から考え・設計して作り上げたものです(だから…というわけではないですが、この本は、プレゼンが苦手な人から「自分は上級者だ」という人まで幅広い人たちが、それぞれ楽しめる本になっている、と思っています)。
そしてまた、たとえば(個人的にはとても思い入れのある)「理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く! (Kobunsha Paperbacks Business 17) 」はWEBサイト用の記事として作ったものを、書籍用の手直し・書籍化に際して追加しておきたかったものなどを詰め込み(あるいは削り)、作り上げたものになります。
もしも、後者を最初から「書籍」として考えて作ったとしたら、一体どういうものになったのだろうか?と思うことがあります。そして、それでは「企画自体通らない」ものだろうな、と思ったりします。やはり、「書籍」と「WEB記事」は違います。メディアによって、作り方も作り始めのカタチもきっと違うのだろうと思います。
どんなものでも、「(コミニュケーションという)底の部分は同じだよ」と言われるような気もしますが、その舞台・調理法(表現方法)が異なる「メディア」である以上は、やはり違うものにならざるを得ないのかもしれない…と思います。
そんなことを考えながら、久々に昔書いた「便所の落書き」を読んでみたりしたのです。
2010-05-21[n年前へ]
■「ピカソ」を記憶のままに描いてみる
ふと、「ピカソ」を記憶のままに描いてみるとどうなるかと思い、テキトーに描いてみた。描いてはみたけれど、頭の中にイメージした題材が「ピカソ」であることすらわからない絵になってしまった。これではまるでシャガールか、…いやそんなことを言うとシャガールが窓の外から怒って襲ってきそうだ。とにかく、これ以上ないくらい下手くそなラクガキだ。
記憶にまかせて、「有名な画家」の絵を描いたら、一体人はどんな絵を作り出すものだろうか。たくさんの人が、たとえば、「ピカソ」の絵を描いたら、どんな絵の集合ができるのだろう。
2012-10-05[n年前へ]
■「堅苦しいグラフ」も「オモシロ楽しく」変身させてみる!?
Mathematicaを使って、真面目なグラフや図を「手書き・落書きマンガ風」にしてしまおう!というAutomating xkcd Diagrams: Transforming Serious to Funny(WOLFRAM BLOG)が面白い。堅苦しいグラフ(や図)で使われている文字を手書き風フォントに変え、線を柔らかく変形させ、その他の図形も全て微妙に変形させることで、ありとあらゆる(もとは)堅苦しい図形を「オモシロ楽しく」変身させています。
たとえば、サイン関数を書いた無味乾燥なグラフだって(左下)、手書き風のスタイルを適用させるだけで…あらビックリ!の易しく心地良さそうなグラフに大変身するのです(右下)。
このグラフは下のコードで描かれたもので、普通のやり方で描かれたグラフを(こんな用途のために作った)xkcdConvert関数で手書き風にしたものです。
Plot[Sin[x], {x, -10, 10}, AxesLabel -> {"x", "Sin[x]"}]
// xkcdConvert (* 手書き風の場合 *)
無味乾燥に見えがちなグラフが読まなければならない時は、それらのグラフに「手書き風」スタイルを適用してみるのも良さそうです。スタイルが変わるだけで、難しい技術書なども人懐っこく・わかりやすく見えてきます。
どんなページも「手書き風に変えてしまう」というブラウザ用Proxyというものが以前あったような気がします。あるいは、現実世界をマンガ風にしてしまうカメラ(画像処理)ソフトなどもよく見かけます。グラフを手書き風にするだけで「堅苦しさ」がいきなり消え失せたように、少し見方を変えるだけで、「丸っきりの別印象」になったりするかもしれません。
世界にあるもの・見たものを「もしも○×風だったとしたら?」と想像してみると凄く面白く楽しいんじゃないか、とグラフを見つつ考えます。
参考:他言語での作成・実装例
・R での作成例
・R での作成ディスカッション
ただし、これらの例では、字体を変えるだけだったり、データ自体にジッター=揺れを与えていたりするので、もう一ひねり深い実装が欲しいと思ってしまうかもしれないですね。