hirax.net::Keywords::「クラリネット」のブログ



2015-03-17[n年前へ]

不具合続出を歌い上げる「クラリネットをこわしちゃった」…実はまさにデスマーチな軍歌だった!? 

 不具合続出を歌い上げる「クラリネットをこわしちゃった」…実はまさにデスマーチな軍歌だった!? を書きました。

 ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない…ドもレもミもファもソもラもシの音も出ない…もう何の音も・グーの音も出ないデスマーチ状態で、それでも「歩け!足を進めろ!歩め!」「さぁ仲間たち!」と歌い上げる童謡「クラリネットをこわしちゃった」、実は由緒正しいフランス軍歌だったのです!?

2015-10-16[n年前へ]

頭部を入れ替えた「”ク”ルート」と「”フ”ラリネット」の音色比べが面白い! 

 「フルートの音色は材質に影響されない」を読んだ。元来は木製だったフルートは、現在では金属で作られるのが一般的である。J.W.Coltmanの数多い論文などを代表として、これまで行われている音色の聞き比べ評価でも機構解析でも、フルートの材質が音色に与える影響は、形状や表面性といった他の要因に対して、有意な違いは見いだされていない(しかし、現在とほぼ同じ機構でありつつも1830年以前に作られた木製フルートが良いという意見もある)。

 なぜかというと、フルートの音色が生み出される原理は、フルートの円筒管体自体が振動するわけではなく、唄口(吹き口)に横から吹きつけられた空気流が、円筒管体内部の定常波の影響を受けることにより、振動することにより生じる。この過程でフルートの円筒管体が担う役割は、定常波を生み出す「形状」のみで、その変形特性などは(生じる音波に対し)ほぼ影響しないからである。変形特性が影響しない理由は、空気と(それが木製でも銀でもその他の金属でも)円筒管体の「圧力に対する変形度合い」は1000倍程度は差があるため、円筒管体内部に空気振動があっても、円筒管体は完全な剛体として取り扱って良いオーダーになる。

 もっとも、材質が音色に影響を与えないとは言っても、異なる材質で異なる製造方法で作る限りは、形状設計や内部表面性は異なるのが自然である。そして、各部分の形状や内部表面性は音質に影響を与えるので、上述の話は「同じ形状のフルートがあれば、その材質は音色に影響しない」というものである。

 ところで、さまざまなフルートの音色を調べていた時に、フルートとクラリネットの「頭部」と「胴体」を入れ替えて音色比べをする科学実験を見つけた。これが実に面白い。クラリネットの胴体にフルートの頭部を取り付けた「”ク”ルート」は、見かけはクラリネットなのに、音色も音域もほぼフルートそのものだ。そして、クラリネット頭部を持つフルート胴体の「”フ”ラリネット」は、音域も音色もほぼクラリネットである。このような現象は、「頭部のリード振動で音が発生するクラリネット」と「唄口周りの空気流振動により音が生み出されるフルート」という違いや、クラリネットと違いフルートの唄口が開放端になっていることから生み出される定常波が2倍異なることから生じる。…と頭でわかってはいても、頭部を入れ替えた「”ク”ルート」と「”フ”ラリネット」の映像を眺め・音を聴いていると、何だか不思議で面白い気持ちになってくる。



■Powered by yagm.net