2010-10-04[n年前へ]
■ひとつだけでなく、複数のものを知るということ
鴻上尚史 「ドン・キホーテのピアス (13) どうしてニッポンはこんなに便利で息苦しいのか? 」の中にある「電波少年」の土屋敏男の言葉から。
「師匠を2人持つっていうのがいいと思う。一人しか持たないと、師匠のミニにしかならないからね。二人持つと、ミックスされて、自分独自のものが出来上がるから」
この「師匠」という言葉は、さまざまな言葉に入れ替えることができるような気がします。それはたとえば、「文化」なんていう言葉に入れ替えて良いし、「考え方」とか「やり方」といったものに入れ替えても良いようにも思います。あるいは、「○×系」でも「グループ」でも「価値観」でも、ありとあらゆることを意味する言葉をあてはめてみると、何か新しいものを見ることができて、面白いようにも感じられます。
ひとつのものしか知らない時、ひとつのものしか見る機会がない時には、体の中で警鐘を鳴らし、複数のものに接するようにすることが大事なのかもしれません。
さて、下に、「師匠がしていること」を、自分がしようとすると、さて何ができるか、ということを描いてみました。人はそれぞれできることが違いますし、「師匠がしていること」を”ただ”なぞろうとしても、それは”劣化”コピーにしかならないように思います。
ふと、こんなことを考えます。”劣化”コピーなのか、それとも、意味あるコピーなのかは、その瞬間にはわからないものです。人は完全でないコピーをし続けることで進化し、そして、今の世界があります。それでも、「ひとつだけでなく、複数のものを知る」ことで、どんな意味を持つかということを、少し長い時間軸に沿って眺めることができるのかもしれません。
2011-03-23[n年前へ]
■人類2万年の記録の歴史は、横浜駅から徒歩8分の無料ナリ
驚くほど希少で価値あるものが、豊かさを感じさせ・味あわせてくれる素敵なものたちが、街の中には隠れていたりします。
横浜からポルタ地下街を抜け、みなとみらいに向かうと「とちのき通りに面したガラス張りのギャラリー」があります。そこでは、アートやサイエンスや、未来やビジネス…色んな食材を混ぜ合わせて作られた料理を味わうことができます。
あるいは、そのビルの3階に行くと、"Ten Thousand Years of Recorded Information"と題された資料を展示するスペースがあります。二万年近くにわたる人類の記録の歴史、古代の洞窟の中の手形から銀河の向こうの恒星に向けて放たれたメッセージまで、人類が記してきた12の貴重なメッセージを眺めることができるのです。
この資料は人類があらゆる時代や地域を通じて様々な媒体に記録してきた情報を展示し、人類の記録の足跡を表現しています。
パピルスに記されたエジプト「死者の書」や、グーテンベルグの42行聖書、あるいは、シェークスピアの戯曲…そんな人類が歴史に記してきた貴重なものを、駅地下(えきちか)ならぬ駅近(えきちか)くで眺めることができる…とは信じがたいかもしれません。
人類が過去から現在を通じて未来に残す記録物を観ることができる無料のアートスペースは、「横浜」駅から徒歩8分です。そのビルからは、海近くに立つ風車が見えて、ゆっくり回る観覧車が見えて、川を走る船が見えます。川向こうの船着き場から行き交う船は、未知の世界への可能性を私たちに感じさせます。…そしてさらに、その向こうに行き交う人々を眺めつつ「人類2万年の記録の歴史」も観ることができます。…それはちょっとお得な情報だとは感じられませんか?