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2011-03-14[n年前へ]

二十世紀の科学的・合理的な文明国民の愛国心 

 寺田寅彦「天災と国防」から。

 人類が進歩するにしたがって、愛国心も大和魂もやはり進化すべきではないかと思う。
 砲煙弾雨の中に身命を賭して敵の陣営に突撃するのも、確かに尊い大和魂であるが、(中略)二十世紀の科学的文明国民の愛国心の発露には、もう少しちがった、もう少し合理的なやり方があるべきではないか、と思う。

(昭和九年十一月、経済往来)

2011-04-06[n年前へ]

「自然の力」と「忘れる力」 

 「ひとつ予想するとしたら、水平線の向こうには「悪いこと」はあるはずがない、と思います。それは、希望かもしれないし、夢かもしれないし、それとも愛かもしれません。何にしても、人が追いかけてきたものが、水平線の向こうにはあるように思います。」

2012-01-04[n年前へ]

「忘れる」という自然な原動力 

 7年前の「n年前へ」から。

 しかし、その一方で「忘れる」ということは人にとって自然で、何かしら生きて発展していくための原動力であるだろうとも思う。数ヶ月先、あるいは例えば来年に、地震や津波のことなんて忘れ去られ、今回の被害地が同じように人で賑わっているとしたら、それもまたとても自然なのだろうと思う。人が忘れることが「自然」であるならば、人が忘れることにより生じる災害はやはり「人災」でなく「天災」なのかもしれない。だから、「天災は忘れた頃にやって来る」のだ。

「津波と人間」 



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