2009-02-02[n年前へ]
■「一人の人間を救うためには、何が必要かわかる?」
劇作家である鴻上尚史の演劇(の戯曲=シナリオ)「トランス 」の中にこんな言葉があります。
「一人の人間を救うためには、何が必要かわかる?」
「何?」
「もう一人の人生よ」
この文中の「救う」というものがどのようなものであるか、あるいは、そんな言葉を使いたくなる状況というものは人の数だけ数限りなくあると思います。
ただ、この言葉、一人の人間を救おうと思うなら、他の人を救うことはできないし、その他の人の中には自分も入っている、という言葉は正確すぎるほどに的確な言葉かもしれない、と思います。
2009-07-06[n年前へ]
■片隅に転がる人形のように…
鴻上尚史の「表現力のレッスン 」中に引用されている戯曲「ビー・ヒア・ナウ」から。
僕たちは、片隅に転がる人形のように、自分の人生を捨てながら生きていく。何種類の人形を捨ててきたのかも忘れて、その人形と過ごした幸福な日々も忘れて、僕達は、生きていく。
だが、ある昼下がり、友人があなたを訪ねる。・・・そして、その人形が欲しいとあなたに迫る。
その時、人形は蘇る。いとおしさに溢れて、あなたの目の前に蘇る。
2011-03-23[n年前へ]
■人類2万年の記録の歴史は、横浜駅から徒歩8分の無料ナリ
驚くほど希少で価値あるものが、豊かさを感じさせ・味あわせてくれる素敵なものたちが、街の中には隠れていたりします。
横浜からポルタ地下街を抜け、みなとみらいに向かうと「とちのき通りに面したガラス張りのギャラリー」があります。そこでは、アートやサイエンスや、未来やビジネス…色んな食材を混ぜ合わせて作られた料理を味わうことができます。
あるいは、そのビルの3階に行くと、"Ten Thousand Years of Recorded Information"と題された資料を展示するスペースがあります。二万年近くにわたる人類の記録の歴史、古代の洞窟の中の手形から銀河の向こうの恒星に向けて放たれたメッセージまで、人類が記してきた12の貴重なメッセージを眺めることができるのです。
この資料は人類があらゆる時代や地域を通じて様々な媒体に記録してきた情報を展示し、人類の記録の足跡を表現しています。
パピルスに記されたエジプト「死者の書」や、グーテンベルグの42行聖書、あるいは、シェークスピアの戯曲…そんな人類が歴史に記してきた貴重なものを、駅地下(えきちか)ならぬ駅近(えきちか)くで眺めることができる…とは信じがたいかもしれません。
人類が過去から現在を通じて未来に残す記録物を観ることができる無料のアートスペースは、「横浜」駅から徒歩8分です。そのビルからは、海近くに立つ風車が見えて、ゆっくり回る観覧車が見えて、川を走る船が見えます。川向こうの船着き場から行き交う船は、未知の世界への可能性を私たちに感じさせます。…そしてさらに、その向こうに行き交う人々を眺めつつ「人類2万年の記録の歴史」も観ることができます。…それはちょっとお得な情報だとは感じられませんか?