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2009-09-19[n年前へ]

「景気と文学」 

 関川夏央「おじさんはなぜ時代小説が好きか (ことばのために) 」の「景気と文学」から。

 大正9年(1920年)3月15日に株式が大暴落して、第一次世界大戦景気による大正バブルが崩壊します。それで損をした人がたくさんいました。(中略)普通の人々が浮かれたという点では、昭和末から平成初年にかけてのバブル景気とおなじです。人の気持ちはかわりません。
 この文章が書かれてから、「バブル」と「バブル崩壊」のプロセスが、すでに繰り返されているように思います。「人の気持ちはかわりません」という言葉も、きっと何度も繰り返されてきたのだろう、とも思います。
 夏目漱石の活躍期はその戦後不況とぴったり重なっています。(中略)いわゆるプロレタリア文学も昭和不況とともに盛んになるのです。漱石の文学が「不況文学」であるように、景気と文学の関係はもっと考えられてもよいと思います。



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