2008-03-22[n年前へ]
■JRチケットの磁気データを眺めてみる
ICカード化されているSUICAなどと違って、通常のJR切符などは、裏面の磁気データで管理されている。右に貼り付けたのは、JRの切符ではなくて領収書だけれど、基本的には通常のJR切符も、同じサイズであるし、同じような仕組みになっていると思う。
このJRが発行したチケットの裏面に書き込まれている磁気データを、磁気微粒子粉末で可視化して、2次元画像に変換してみたものが下に貼り付けた画像である。上下4行づつ、計8行の磁気データが書き込まれていることがわかる。この磁気データを眺めた時、興味深く・面白いことは、チケットの中心を軸にして、線対称に上4列と下4列に対して同じデータが書き込まれているように見えることである。
逆に言えば、磁気データは本来4列ですむのに、それを上下部分に同じように書き込まれているように見えるのである。これは、「磁気読み取りヘッド数を減らしつつカードリーダにチケットをどの向き(もちろん長短辺は一致している必要があるが)で挿入しても大丈夫なようにするために、そのような設計になっている」のだろうか。それとも、そんな単純な理由ではなくて、もっと複雑な理由によるものだろうか。
日常生活を支えているシステムはたくさんあるけれど、それらが動いている仕組みがちゃんとわかるものは、ほとんどないように思える。そういったシステムの裏側をミステリの謎解きのように想像してみるのも、結構楽しい。
2009-06-24[n年前へ]
■青木ヶ原の磁鉄鉱
確かに溶岩で磁性を持つものがありますが、ピッタリくっ付けるとかしない限り方位磁石に影響を与えるほどの磁力は持ってないはずですので、普通に手で持って見るとかならちゃんと北(磁北と自転軸の北との差があって正確には真北ではないけど)を指すはずです。
樹海内の溶岩は磁鉄鉱が多く、磁性熔岩帯になっています。岩石に磁石を近づけるとくっつき、方位磁針を近づけると回転してしまい正しい方向を示しません。
「青春の富士樹海「麻雀大会」」の人たち。
岩にくっつけたりしたら、変でしたけど、普通に手で持ってる限りは、ちゃんと北を指しましたよ。
「玄武岩」
玄武岩には磁鉄鉱が含まれており、弱い磁気を帯びている。この磁気の方向は溶岩が冷えて固まる時の地磁気の影響を受けている。地磁気は平均すると数万年単位でNとSが入れ替わるので、玄武岩の磁気を測定すれば噴火時期特定の有力なデータとなる。
2010-02-05[n年前へ]
■「追跡コードの記事」と「紙幣偽造の現場」 (初出:2005年10月26日)
先週、「Xeroxプリンタに追跡コード」という記事を見かけた。「紙幣や証券の偽造」などの防止のために埋め込まれている追跡用コードの記事である。
複写機やプリンタには、偽造紙幣などを防止するための技術が導入されている。偽造紙幣防止技術についての詳細は、公にはされていないが、そういった機能があることは、よく知られている。
一昨年のNIP(Non-Impact Printing)というプリンタ技術に関する会議で「紙幣偽造犯の姿」に迫った報告があった。リンク先の画像は
- 「偽札作りの犯人の年齢分布」
- 「犯人が偽札作りを行った場所」
- 「偽札作りの道具」
を示している。
年齢で言うと、一番若い偽造犯は八歳(!?)である。これには、少し驚くかもしれない。また、「偽造の現場」は「住居」が最も多いが、「職場や学校はたまた図書館で偽造する偽造犯も多い」「アメリカとカナダでは、お隣同士でも偽造する技術手法が異なる」とか色々面白い話もある。
偽造防止技術それ自体は公開されることは少ないが、関連情報は学会などで知ることができる。興味がある人はその辺りから追いかけてみると、偽造犯と偽造防止技術の攻防などが見えてきて面白いと思う。
2010-11-14[n年前へ]
■「Tポイントカードの中の磁気データ」と「ランドセルの中の好奇心」
「隠されたもの」「見えないもの」を覗き見してみたいという好奇心という名のウィルスが、もの心ついた頃からずっと体の中に侵入していたような気がします。少なくとも、ランドセルを背負っていた頃には、そのランドセルの中に好奇心を入れて歩いていたように思います。
大学で研究室に入り、レーザー・ビーム・プリンタを使えるようになったとき、何より一番最初にしたことは、磁気(ストライプ)カードの中身を覗いてみる、ということでした。モノクロのレーザー・ビーム・プリンタの中には磁性を帯びた微粒子をインク(トナー)として使っているものがあり、(とても幸いなことにそういう機種が研究室で使われていたので)そのプリンタからトナーを取り出してさまざまな磁気カードに振りかけまくっていたのです。
ICカードの普及が進んでいますが、時折、そんな風に磁気カードの中身を覗いてみたくなります。そんなわけで、今日はTSUTAYAやファミリーマートで使うことができるTポイントカードの中身を覗いてみました。Tポイントカードの裏面の磁気部分に書き込まれている磁気データを覗いてみたのです。そして、この磁気データを読み取るiPhoneソフトを作ったならば面白いだろうか?と考えてみたり、そんなソフトを(二人のスティーブがブルー・ボックスを作っていた頃からはずいぶんと時代を隔てた)今のAppleは認めないよなぁ…と、ひとり苦笑してみたりしました。
ランドセルを背負っていた頃は、かがむたびに、いつもランドセルの中身を地面にドバドバとばらまいていました。あの頃、後ろに背負ったランドセルに好奇心が詰まっていたとしたら、そこから好奇心が地面にたくさんばらまかれていたのでしょうか。今でも地面を眺めてみれば、そこには小さな頃の好奇心がたくさん染み込んでいるのでしょうか?
2011-02-07[n年前へ]
■封筒の中身を透視する「磁気スキャナー」
封筒の内側に印刷されたバーコードを、高速で読み込むというデモを見かけました。封筒は封がされて、その内側にある「プリンタで印刷されたバーコードを」外から読みとることができる、となると少しビックリするのではないでしょうか?
そのタネはとても簡単で、封筒内側のバーコードは磁性を帯びたトナーを使って印刷されていて(モノクロのプリンターでは磁性トナーを使うものも多いのです)、そこで、そのトナーの磁気を封筒の外側から読み取る、という仕掛けです。
封筒の外側から内側にある「磁気トナーで印刷されたバーコード」を読み取ることができるなら、普通の文字も読み取ることができるかもしれません。封筒を開けずして、その中にしたためられた文字を高速で読み取ることができるかもしれない?…そんな封筒の中身を透視する「磁気スキャナー」が実は存在して、どこかでずっと動いているかもしれないのです。
イギリスのメーカーBUSKROの磁気スキャナーECLIPSEは封筒の中身を読み取ります。そんな機械は、確かに当たり前のように売られています(本当です)。しかし、封筒の中身のバーコードだけでなく、封筒の中身すべてを透視する「磁気スキャナー」が郵便局の奥に密かに存在している・・・「信じるか信じないかは、貴方(あなた)次第です」
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