2008-10-18[n年前へ]
■簡素版「雑誌DE流行マップ」
サーバ構成を整理するついでに、雑誌DE流行マップの簡易版コントローラを作りました。それが、こちらの方の「雑誌DE流行マップ」になります。雑誌の特徴を掴んだり種々のデータ解析はできませんが、ただ眺めたりする分には十分かもしれません。立ち読みでもするように、眺めて頂けたら幸いです。
・・・といっても、適当に何も考えずにキーを叩いて作ったので、色々動かない部分があるかと思いますが、指慣らしがてら徐々に直していきます。
2009-03-04[n年前へ]
■夜の灯台で繋がる日本列島の姿
優れた雑誌を20挙げてください、と言われた時、Graphication は必ずその20誌の中に入る。しかも、無料で送付してくれることも考えてみれば、実にありがたい雑誌である。Graphicationの最新号 2009 No.161 のテーマは、「連」、つまり連なる、ということである。下に引用した文章は、その最新号の冒頭に書かれた言葉である。紹介サイトに書かれている文と比べてみれば、さらに、この号を作らんとした熱意・作っていた際の気持ちが透けて見えてくる。
人々が分断され、競争に駆り立てられ、揚句の果てにゴミのように切り捨てられる。そんな社会を誰が望んだであろうか。こんな国の施策を助長した経済学者の一人が懺悔の書を書いた。遅すぎる気もするが、いま求められているのは人と人のつながりであり、共に生きるための知恵だろう。
同じGraphicationの号の中の話だが、日本中の「灯台」の写真とその解説の記事がある。海際にそそり立つ、日本各地の灯台の景色がとてもきれいだ。そこには、こんな文章がある。
灯台は日没で点灯し、夜明けと同時に消灯する。日本列島の夜の地図を頭に浮かべてみてほしい。日本で最も日没が速い最東端の納沙布岬灯台(北海道)から転倒し、リレー式に最西端の与那国島の西埼灯(沖縄県)に光が灯る頃、日本列島の輪郭が光のリングで結ばれる。これは、140年変わっていないし、永遠に変わらぬ光景だろう。この詩的な言葉を読んでいると、「繋がっていた双生児」をめぐる物語、灯台に引き寄せられていくものたちを扱った、野田秀樹(萩尾望都 原作)の「半神 」を思い出す。
山崎 猛
あらゆる海、あらゆる時間、あらゆる霧の中を押し分けて、剥き出しのまま届きぼくのなかに響く声、…引き剥がすことのできない声を発する装置。(灯台が発する声である)「霧笛」だ。
萩尾望都・野田秀樹の戯曲「半神」には、「霧笛」のある一部分が引用されていて、交錯するこのふたつのテクストは、まるで「霧笛」のなかの灯台とそれに相対する怪物の声のように、それぞれぼくの霧の中で深い孤独のうちに呼応しあっている。
「半神」は孤独、決定的なひとつの不在を生きること、について描き、「霧笛」はその孤独な他者へ呼びかける声の乗り越えられなさを描いていると言っていいかもしれない。ともかくどちらも、深い愛についての話だ。
2010-02-12[n年前へ]
■「場所と人の関係」は「恋愛の関係」に似ている
角田光代 「恋するように旅をして 」(旧題「恋愛旅人」)の「ポケットに牡蠣の殻」から。
場所と人の関係というのは、恋愛にひどくよく似ていると思う時がある。この文が書かれるまでの流れ、そしてこの文が唐突に始まる、その流れが小気味よい。文章の一節ごとの繋がりが、そして、それら文章の一節ごとの跳ね具合が、まるでコブ斜面を蝶のように舞うスキーヤ―を見ているような心地になる。
場所と人の関係が本当の恋愛と決定的に違うことがたったひとつだけある。前の一節、次の一節・・・前のコブ、次のコブ・・・力を抜いて跳んで、体を固めて次へ飛ぶ。そんな動きを眺めているような気持ちになる。
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