2012-11-02[n年前へ]
■西郷隆盛という「制御器」
勝海舟の「氷川清話」を読み返していると、西郷隆盛という「制御器」が後に選ぶことになる道が必然にも見えてくる。ここで言う制御器は、「他者を信じるときは信じられないほど大胆に任せきり、そして他者を自身を介して増幅する時は大誠意(無限大の制御幅で忠実)に働く」という回路である。
坂本龍馬が、かつて俺(勝海舟)に「先生(勝海舟)が頻繁に西郷(隆盛)を賞賛するから、会いに行ってくるので紹介状を書け」というから、書いてやった。
その後、坂本(龍馬)が薩摩から帰って言うには、「なるほど、西郷(隆盛)というヤツは”わからぬヤツ”だ。少し叩けば少し響き、大きく叩けば大きく響く。もしもバカなら大きなバカで、けれど利口なら大きな利口だろう」と言ったが、坂本もなかなか人を見る目がある奴だ。
西郷に(自分も含めて誰もが)及ぶことができないのは、その大胆識と大誠意にあるのだ。
2013-01-28[n年前へ]
■「春近くの強風による大火事」と「歴史の流れの覚え方」
これからの数ヶ月、それは火事が多くなる季節です。火事は、冬に多く・夏に少なくなります。風が強く、湿度も低くなるこの時期には、火事が増えます。右のグラフは「月別の火事発生件数」ですが、「月別の強風度日数」も、このグラフとほぼ同じ形状になります。
現代と同じように江戸時代も…いえ現代にも増して江戸時代は、冬になると火事が起こりやすく・大火が多く発生しました。春が訪れるこの時期は、大火事が訪れやすい季節でもありました。
江戸時代が終わる頃、幕府に江戸城明け渡しなどを迫る西郷隆盛らは、江戸への放火を計画しながら、幕府と交渉していました。西郷隆盛と勝海舟が会談をしていたのは3月13と14日。春に向かい風が強くなる時期のことです。
「官軍」の江戸への放火作戦が、冬の終わりから春にかけての「(大火事を生み出す)強風」を踏まえたものであったかは不明です。しかし、歴史の流れを(納得しつつ)覚えようとする時には、こんな「春近くの強風により大火事が増えること」を覚えておくのも、良い方法かもしれません。
「火の用心!」という言葉が繰り返されるこの時期に、江戸に火を放とうと「官軍」迫りくる(…それは江戸幕府からすればイヤだよな)と覚えるというのは、いかがでしょうか。
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