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2012-11-02[n年前へ]
■西郷隆盛という「制御器」
勝海舟の「氷川清話」を読み返していると、西郷隆盛という「制御器」が後に選ぶことになる道が必然にも見えてくる。ここで言う制御器は、「他者を信じるときは信じられないほど大胆に任せきり、そして他者を自身を介して増幅する時は大誠意(無限大の制御幅で忠実)に働く」という回路である。
坂本龍馬が、かつて俺(勝海舟)に「先生(勝海舟)が頻繁に西郷(隆盛)を賞賛するから、会いに行ってくるので紹介状を書け」というから、書いてやった。
その後、坂本(龍馬)が薩摩から帰って言うには、「なるほど、西郷(隆盛)というヤツは”わからぬヤツ”だ。少し叩けば少し響き、大きく叩けば大きく響く。もしもバカなら大きなバカで、けれど利口なら大きな利口だろう」と言ったが、坂本もなかなか人を見る目がある奴だ。
西郷に(自分も含めて誰もが)及ぶことができないのは、その大胆識と大誠意にあるのだ。