2011-05-16[n年前へ]
■エクセルでコンター図を作るなら「条件付き書式」を使うべし!?
わかりやすく綺麗なグラフを作ろうと思うと、エクセルのグラフ配色には誰しも悩まされます。だからこそ、Excel 2010のチャートを綺麗な色で仕上げるためのアプリケーションを作ってみたり、エクセル2003のグラフをわかりやすくするためのアプリケーションを組んでみたりするわけです。
エクセルで「2次元のコンター図(密度図)」を描こうとするならば、グラフを使って配色指定に苦労するよりも、セル自体を「条件付き書式」で色づかせる方が楽であるように思います。「条件付き書式」というのは、セルの値に応じてセル配色(など)を変化させる機能です。それはたとえば、「最小値はこんな色、真ん中辺りの値はこんな色、そして最大値はこんな色」というようにして配色などを指定できる機能です。
下の図は Excel Mac2011で非定常2次元熱伝導計算をするセルを「条件付き書式」で色づけたもの(左側)とそのセルをコンター図にしてみたもの(右側)です。どちらがわかりやすいか…は言うまでもないでしょう。
こういった(左上図のような)セル配色による疑似グラフは、「条件付き書式」を使えば一瞬で作ることができます。こうしたグラフでは、横軸・縦軸はキャプション無しでも理解できるのが普通だったりしますから、グラフの横軸・縦軸描画機能は不要だったりすることも多いように思います。
二次元的に配置されたセルを直感的に操作できるのがVisiCalcで始まるスプレッドシートの特徴であるならば、こうした機能こそが未来のスプレッドシートを形作っていくような気がします。
2013-04-28[n年前へ]
■エクセルのグラフ配色をマトモにするためのツール(2013年版)
先日、Microsoft ResearchがMicrosoft Excel上で時空間上に各種データをマッピングすることができるアドイン「GeoFlow」のプレビュー版をリリースしました。このアドインは確かに凄いのですが、エクセルという道具を振り返り眺めてみれば、「これじゃない〜!」という気持ちを強く感じてしまいます。何より先に、グラフの配色を直感的にマトモにしてくれよ!と思うわけです。
というわけで、「エクセルのグラフ配色をマトモ・自由自在にするためのツール(2013年版)」(Excel Chart Designer 2003/2007/2010/2013)をリリースしました。…といっても、以前作ったソフトのバグフィクスおよびOffice 2013 for Windows での動作確認を行うとともに、Excel 2007以降でエクセルのグラフ配色を操作するためのRubyスクリプトを同梱した程度です。
たとえば、左下はExcel 2003のデフォルト配色チャートです。そして、それをExcel 2003上でマトモに変えてみた結果例が、右のチャートです。
Excel 2007以降ではチャート面の透明度も設定できるので、たとえば右に貼り付けたExcel 2013での実行画面を眺めれば、チャート面を半透明に透けさせることで、隠れてしまう部分の値を見せることもできます。
このツールを使うには、次の手順を行います。まず、配色を変えたいエクセルのチャートを選択した状態で、(Excel 2003用、もしくは2007〜2013用の)配色操作ソフトを立ち上げます。そして、縦軸の最小値・最大値・刻み幅を設定した上で、変更したい配色を選びます(あるいは任意のグラデーション画像を選びます)、そしてボタンを押すと、Excelを外部から操作してチャート配色が綺麗に変更される、という具合です。
エクセルが作る直感的でない配色のグラフ、そして、そんな配色のグラフが配置された資料を見て「うーん何だかなぁ…」という気持ちになっていた人には、お勧めかも!?
Mac OSX版も作ってみました(エクセルのグラフ配色をマトモにするためのツール OSX 版)。
2013-04-29[n年前へ]
■エクセルのグラフ配色をマトモにするためのツール(OSX 版)
Windows版のMicrosoft Excelで「エクセルのグラフ配色をマトモにするためのツール(2013年版)」を作ったら、次はMac OSX 版Excelでも、グラフ配色をマトモ・自由にカスタマイズしてみたくなります。そこで、今日はMac版Microsoft Excelのチャート配色を操作するRubyスクリプトを書いてみました。
作ったのは、RubyからAppleScriptを経由して、Excelを操作するスクリプトです。そのため、まずは、
sudo gem install rb-appscriptと、(RubyからAppleScriptを使う)rb-appscriptをインストールします。そして、Mac_Ruby_Script.zipをダウンロード・解凍し、その中にある excel_chart_designer_for_osx.rb を引数(順に、値の最小値・最大値・透明度の順番で)次のように呼びます。
ruby excel_chart_designer_for_osx.rb -1 1 0.05 0.5すると、エクセルのアクティブチャートの配色が自動的に調整されます。たとえば、下に貼り付けたチャートは、左が「実に不自然なエクセルのデフォルト配色のチャート」で、右が上記のスクリプトで配色をマトモにしたエクセルのチャートです。
作ったスクリプトは、①エクセルに接続し、②エクセルのデフォルト配色パレットを(テンプレートファイルから)読み込んだ上で、③軸操作をし、④調整したい色に一番近いパレット(インデクス)をチャートの各領域に対して設定する、という動作を行います。RubyからAppleScript経由でOfficeのTheme Sheme(テーマ・スキーム)の色を設定することができそうになかったので、とりあえず調整したい色に近いインデックスカラーを選び・塗りつぶす、というようにしてみました。
Mac OSX で MicrosoftExcel を使っている人がどれだけいるかはわかりませんが、今日はMac OSX 版のMicrosoft Excel のチャート配色をマトモ・自由自在に調整するためのRubyスクリプトを書いてみました。