hirax.net::Keywords::「ひょっこりひょうたん島」のブログ



2008-03-25[n年前へ]

「ひょっこりひょうたん島」に上陸する 

 「我入道」で書いた大山巌の別荘跡は「ひょっこりひょうたん島」の浜辺にある。海辺に位置する牛臥山は、少し昔はれっきとした島だったのだけれど、その牛臥山の地形はひょっこりひょうたん島の地形にそっくりだ。だから、ひょうたん島資料館を、牛臥山近くに作ろうというプロジェクトすらあるくらいだ。

 いつも生活している街並みから、ぽっかり浮かんで不思議にズレているような場所がある。毎日歩く道先にあるはずなのに、普段はなぜか辿り着けない。
   「我入道」

 少し前、大山巌の別荘跡を守る「陸に浮かぶ孤島」の牛臥山に登ってみた。古い神社の横(あまりに定番の場所だ)にひっそりと、定期的に人が歩いているように見える道があって、その草木が折られている箇所を登っていくと、ひょっこりひょうたん島ならぬ牛臥山のてっぺんにたどり着いた。地面近くの草に足をひっかけて転んでしまうと、何だか数十メートルくらい滑落してしまいそうな感じだった。

 頂上近くから「大山巌の別荘跡」を見ると、そこは普通の公園になっていた。まだ、どの入口も封鎖されているから、「毎日歩く道先にあるはずなのに、普段はなぜか辿り着けない場所」ではあるのだけれど、けれど、かつてのような不思議な場所・歴史の中のエアーポケットに遺失物として置かれたままになっている場所とは違ってしまっている。

大山巌たちが海を眺めた別荘跡、彼らが歩いた石垣や階段跡を散策することができる。三方を急峻な山に囲まれ、残りは海が広がり、そして現在は誰もいない場所は不思議な空間そのものだ。
   「我入道」

 しばらくすれば、我入道にある「大山巌の別荘跡」は、交通標識に沿っていけば、迷わず誰でも行くことができる場所になる。あるいは、干潮時の岸壁沿いを通ってたどり着いたとしても、そこには「普通の整備された公園」があるだけだ。

 我入道という地名は、船に乗った日蓮上人が「ここが我が入る道である」と言って上陸したことに由来する、という。日蓮上人と違う私たちは、自分たちが進む道を簡単に決めることなどできない。考えて時に迷い、時には何も考えずに、ただ歩く。そして、そのルートが「自分が歩いた道」「我入道」になっていくだけのように思う。
   「我入道」
 最初から最後までアスファルトで整備されているような「ルート」があるのかどうかは、幸か不幸か知らない。けれど、もしもそんなルートが現実にあったとしたら、それは単に鋳造されたポインタのない「線路」に過ぎなのかもしれない、とも思う。鋳造された線路と、先の見えない獣道のどちらがいいのかは、わからないけれども。

牛臥山牛臥山牛臥山






2014-11-19[n年前へ]

「ビックサイトの第3ホール 19島の7」でお待ちしております 

 今週末に東京ビッグサイトで開催される Maker Faire Tokyo 2014、「ビックサイトの第3ホール 19島の7」という昔懐かしい「ひょっこりひょうたん島」みたいな住所で、(理科教育研究フォーラムという名前の大先輩に混じり)泥縄的に展示をしている予定です。

 昨年は、粘性液体中を動く気体泡を並列に並べた(不具合多い)機械を前にして2日間たたずんでいました。今年は、インタラクティブに体感できる(はずの)見た目とてもチープなVR(でんじろう先生の”空気砲”というネーミングでブレイクした)空気砲を展示している(それを前にたたずんでいる)予定です。

 そういえば、先日、スキー場に(十年振りくらいに)行き・滑っていたら、(色んな事情があって白衣で滑ってたので)「でんじろう先生ですか?」と訊かれました。
 …いえ全然違います。間違いなく、まともな理科の先生は白衣で滑ったりしないと思います。それにどちらかというと、むしろ「夜のデンジロウ」という感じの系統なのです…と切ない涙を流しつつ答えると、返す刀で「夜のでんじろうってことは、白衣の下は全裸ですか?」と言われました。…スキー場で全裸で白衣でいきなりのストリーキングなんかしません・できません…と悔し涙で答えました。うぅ。



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