2007-11-25[n年前へ]
■「インベンション」と「イノベーション」
「研究者」と「経営者」の違いの話を聞いた後に、場所を移して、少し長い時間、色々な話を伺った。その時、研究者からすると「新しい発見」≒「イノベーション」と思いがちだが、経営者からすると、「新しい発見」≠「イノベーション」だという話を聞いた。
宮原 諄二 教授の『「白い光」のイノベーション』(朝日新聞社)を読んでいると、 ジョセフ・シュンペーターの著作を挙げながら、「新しい何かを取り入れたり、既存のものを変える」イノベーションは、インベンション(発明)とは違う、という一節があった(p.31辺り)。この「インベンション(発見)」≠「イノベーション」だということは、まさに「研究者」と「経営者」の違いの的確な言い換えであるように思える。つまり、研究者がインベンションを追求する存在であるならば、イノベーションを追求するのが経営者あるいは企業者(起業者)だ、ということになる。
インベンション(発明)が市場や社会と共鳴してイノベーションが生まれるように、インベンションがイノベーションのきっかけになることはあっても、決して「インベンション(発見)」=「イノベーション」ではない。そういった事実は、市場や社会のニーズ、つまりは消費者の「欲求」が形として見えにくい現代だからこそ、重要な点だろう。
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