2010-03-17[n年前へ]
■酸性の洗剤とアルカリ性のそれを混ぜ合わせたら毒素が生じることはだれでも知っているけれど…
角田光代の「今、何してる? 」の「相性」から。
その人といることによってのみ、自分のある部分が強調される。幼さや、几帳面さや、わがままや従順さや。自分ですら気づかなかった面がづいに顔を出して驚くこともある。かっこ悪さ、クールさ、嫉妬深さ。
やっかいなのは、プラスの反応ばかりがでてきてもけっして万事快調にはならない、ということで、その逆に、とことんマイナスばかりが並んでいるのに関係が長続きする場合もある。酸性の洗剤とアルカリ性のそれを混ぜ合わせたら毒素が生じることはだれでも知っているけれど、自分が出会っただれかと一緒にいることで、何が生じるのかは予測すらつかない。生じたものが自分にどんな作用を促すのかも。
どうして言葉と言葉すれ違うと化学変化でめちゃくちゃになるの?
種ともこ 「You're The One」
2011-01-28[n年前へ]
■「しゃべり過ぎの時代」と「ヒューマン」
現代は、しゃべり過ぎの時代である。書いたのは、twitterもない、何十年も前のことになる( 「男どき女どき 」)。そんな向田邦子のことを表現する久世光彦の言葉をいつも思い出す。
ぼくは向田邦子の一番いい時期とつき合っていたんだと思う。非常にいたずら好きのはずんだ時期で、嘘つきの時期、見栄っ張りの時期。そういうのがヒューマンだと思うから。
久世光彦
あの女らしさが好きなんです。 シナリオにしてもエッセイにしても隅から隅まで女なんです。人はよく(向田邦子を指して)女の優しさとか可愛らしさ、ちょっと悲しいユーモアとか暖かな賢さに溢れた人と言いますが、そんなことはありません。きっと、女の浅ましさとか嫌らしさ、逆上とか嫉妬、そんなものをちゃんと人並み以上に持ち歩いている人なのです。だから、一番女らしいと思うのです。
久世光彦
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