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2010-05-27[n年前へ]

人生の岐路である選択肢を選ぶということ 

 「彼女たちのドラマ―シナリオライターになった女性たち 」の中で、大石静が語る言葉から。

 人生の過程で、人はいろいろなことをあきらめなければいけない。人生の岐路である選択肢を選ぶということは、その他の選択肢をすべて捨てるということを意味します。小さな子供のときにはいろいろ可能性があるように、大人は言いますが、実は無数の可能性を断念して生きていくのが人生なんです。

2010-08-27[n年前へ]

「人はそうそう思っていることをしゃべれないものだ」 

 中町綾子 「ニッポンのテレビドラマ 21の名セリフ」の向田邦子「寺内貫太郎一家」に関する解説から。

 「嘘を上手につく人でした。実際にあったことを人に伝えるとき、いやな部分は捨て不愉快な台詞は愛嬌のあるものに書き直し、舞台衣装や衣装も心楽しいものに作りかえて話すことを嘘つきというのなら、向田さんは大変な嘘つきでした。一日の大半は嘘をついて暮らしていました。夢のある嘘をついて、心痛むことの多い人生を楽しくしようとしていました。

久世光彦 小説版「寺内貫太郎一家」解説
 それにしても、この懐中電灯の場面はドラマ史に残る名シーンだ。暗闇にタイミングよく浮かび上がる家族一人一人の顔…しかし、そんな風に言いたいことがあったら言えと言われても、いざしゃべるとなるとそううまくはしゃべれない。このシーンには、…人はそうそう思っていることをしゃべれないものだということがすべて表現される。

中町綾子 ニッポンのテレビドラマ 21の名セリフ 「じょうずな嘘」
 そんな「作りばなし」、寺内貫太郎一家の停電のシーンのラストから。
 「笑いばなしには、できないのかい?」

2011-01-27[n年前へ]

「自分の中」や「できること」が見えますか? 

 何年か前のNHK朝の連続ドラマ、「ちりとてちん」のDVDを借りて、ノートPC で眺めていると、こんな台詞が聞こえてきました。

「自分の中にないもんやろうとしたらあかんで。

 「できるかわからないこと」を引き受けるかどうか考えるとき、「それをできるか」どうかをということに頭を悩まされると同時に、「それが自分の中にあるか」ともついつい考えてしまいます。なぜかというと、「自分の中にないもの」をしようとしても、どうしても、いつか気持ちが続かなくなって・・・、結局できなくなってしまうからです。

 「できること」と「自分の中にあること」は違います。「何かをできるか」ということと「その何かが自分の中にあるか」ということは、決して同じことではないのだろうと思います。「自分の中にあるけれど、できないこと」ということもあるのかもしれませんし、「自分の中にないのに、できること」ということも、もしかしたら、あるのかもしれません。「ずっと、できなかったことなのに、いつかできるようになる」こともあるかもしれないと思ますし、「今はできても、ずっと続ける気持ちにはなれないこと」だって、あるのかもしれません。

 「自分の中」や「できること」は、見ることができるのでしょうか。それとも・・・見ることはできないものなのでしょうか。

 さてさて、今日のタイトルはテレビドラマ「不揃いの林檎たち」のサブタイトル意識です。この記事の「関連お勧め記事」を読み進めると、色んなテレビドラマや、そのサブタイトルが浮かんでくるかもしれません。

2011-01-28[n年前へ]

「しゃべり過ぎの時代」と「ヒューマン」 

 向田邦子が、

 現代は、しゃべり過ぎの時代である。
書いたのは、twitterもない、何十年も前のことになる( 「男どき女どき 」)。そんな向田邦子のことを表現する久世光彦の言葉をいつも思い出す。
 ぼくは向田邦子の一番いい時期とつき合っていたんだと思う。非常にいたずら好きのはずんだ時期で、嘘つきの時期、見栄っ張りの時期。そういうのがヒューマンだと思うから。

久世光彦
 あの女らしさが好きなんです。 シナリオにしてもエッセイにしても隅から隅まで女なんです。人はよく(向田邦子を指して)女の優しさとか可愛らしさ、ちょっと悲しいユーモアとか暖かな賢さに溢れた人と言いますが、そんなことはありません。きっと、女の浅ましさとか嫌らしさ、逆上とか嫉妬、そんなものをちゃんと人並み以上に持ち歩いている人なのです。だから、一番女らしいと思うのです。

久世光彦

「磨く技術」と「広い視野」 

 「32年、240人の卒業生を見送った金八先生が定年を迎える」といいます。それぞれの世代ごとに違う「金八先生」像もありそうですが、今でも台詞を思い返すことがあるのは、第2シリーズ、つまり、「腐ったミカンの方程式」のシリーズです。それは、たとえば、当時の高収入ランキングを黒板に張り「上位は鳶職・建築関係など(学歴でなく)技術が必要な職業ばかりです」と語るこんな台詞です。

 周りの風潮に惑わされることなく、みんなは自分のやりたいことをしっかり見つけなさい。(中略)ただし言っておくけどもね、そこにはしっかりとした技術を身につけていなければ生き残れないという掟、厳しい掟があることもどうぞ忘れないでください。(中略)自分の技術は自分で一生懸命磨いていく。(中略)そしてもうひとつ。狭い視野で物事をとらえないということ。

 その時、授業を受けていた”腐ったミカン”と呼ばれていた加藤優(直江喜一)が、その後、建築技術者という天職を見つけたことも、少しできすぎていますが、とても自然な流れにも思えます。

 各”金八”世代なら、記憶の中に色んな「金八語録 」を抱えていそうです。金八先生の言葉をふと思い返した、技術を磨き・広い視野を手に入れたいと考えます。



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