2009-10-07[n年前へ]
■「細切れの知識」や「あるあるネタ」と「腹持ちのする豊かな知恵」の違い
無料の「ネット記事」を読むなら、無料の「GRAPHICATION」も読みませんか? の続きです。
「GRAPHICATION」の良さは、時代を映す内容を(時には時代に先駆けて)、限りなく豊かな知恵を伝えながら、それでいて実に新鮮に面白く読むことができるところにあります。今月の執筆者を見ても、その充実度がわかると思います。しかも、驚くべきことに、エッセイ連載陣すら、特集テーマのもとに文章を書き下ろしているのです。
わたしがGRAPHICATIONが好きなのは、そこに詰まっているものが「細切れの知識」ではないからです。細切れの断片だけをクローズアップした知識であれば、週刊誌やテレビの「あるあるネタ」、あるいは、短いネット記事でも見れば十分です。
けれど、分厚く、食べる(消化する)のに時間がかかり、逆に言えばとても腹持ちのする「知恵」は、週刊誌やテレビ・ネット記事では提供できません。「細切れの知識」や「あるあるネタ」は次の日の会話や、その瞬間の疑似知識欲を満たすにはとても役立つように見えます。…けれど、長い時間を考えてみると、少しつまらないな、と感じられてしまいます。雑誌が、「知る喜び」という言葉の対象を、(一時の人気が出がちな)「細切れの知識」や「あるあるネタ」にフォーカスしてしまうなら、それなら、そんなことは「テレビ・ネット記事」で流し見すれば良いのではないか、と私は思います。「知識欲」と「知恵欲」は違うと思います。本当に長く役立つものは、断片的な「あるある・知っ得」的知識ではなく、知恵が指し示す先にあるものだと思います。記憶すれば・覚えれば良いであれば、(記憶量が決して多いとは言えない)人間にとって、そこに果たして一体何の価値があるのでしょうか。
GRAPHICATION(グラフィケーション)の良さは、「細切れの知識」を並べただけのものでない、すぐに役に立つかどうかはわからないけれども「確かに豊かな知恵」が詰まっているところにあります。腹持ちのする、胃袋に確かに居続ける、そんな時を経ても確かに残り続ける堅い知恵を、決して重くない言葉として綴っているところにあります。
さて、GRAPHICATIONの定期購読申し込みはされたでしょうか? 今では稀有といっても過言でない、密度の高い雑誌が無料で送付されてくるのですから、申し込まなければ「決して長くない人生もったいない」と思います。決してあなたに損はないと思います。無料の「ネット記事」を読むのであれば、無料の「GRAPHICATION」も読んでみませんか?損はさせない、と思います。
2010-09-07[n年前へ]
■「科学的でも論理的でもありません」
「12星座の恋物語 」から。
「おはなし」は、科学的でも論理的でもありませんが、そのなかにたくさんの知恵や共感すべきエッセンスを含んでいることが多くあります。
この一文を読み、江國香織の「泳ぐのに、安全でも適切でもありません 」を連想したので、このクリップは「科学的でも論理的でもありません」という題にしてみました。
2010-12-05[n年前へ]
■このやっかいな時代を生き抜くための知恵
「134日ぶりに仕事に復帰したナイナイの岡村さんの番組を見ました」という言葉から始まる、鴻上尚史のドン・キホーテのピアス「このやっかいな時代を生き抜くための知恵」から。
貧困にあえいでいる国をアメリカ大統領が訪れた。アメリカ資本による摂取が原因だと考えた民衆は、アメリカ大統領に向け、「ヤンキー・ゴー・ホーム!」というプラカードを掲げてデモを行った。・・・デモ隊の最後尾を歩く男は「"with me!"-私を連れて!」というプラカードを持っていた。
笑える間は、なんとかなるのです。逆に言うと、ちゃんと笑える精神状態を維持することが、とても大切なのです。
笑いに敏感になり、他人ごとでなく、自分の状態をちゃんと笑いにすること。それは、このやっかいな時代を生きていくための大切な智恵だと僕は思っています。