2010-09-05[n年前へ]
■走れ、「大人になり損ねた少年」たち
「24時間、自分の足で走り続けたら、どこまで行くことができるだろう?」なんてことを考えていたところ、こんなことを教えて頂きました。
雑誌ラピタの1996年2月号にこんな記事が載っていました。とすると、24時間×25km/時間=600km、つまり、東京から大阪を過ぎるくらいの距離を、24時間で走り抜けることができる、ということでしょうか。距離が長くなると平均速度が下がるので24時間なら25km/hぐらいでしょうか。
- 東京~下関 1062km、50時間36分 (平均速度約21km/h)
- 下関~青森 1623km、95時間15分 (平均速度約17km/h)
その記事には、さらにこんな数字が続きます。「鹿児島県佐多岬~北海道宗谷岬 2664km、176時間33分」「東京~ソウル(関釜フェリー区間を除く) 1609km、92時間5分」・・・これは、戸田真人さんという方の、「信号待ち、休憩、仮眠、フェリーでの移動時間などをすべて含んだ目的地までの総所要時間の記録」です。まるで日本の端から端まで自転車で、ほとんど不眠不休で走り抜き続けている人の記録です。
この記事、文章を追えば信じられないほど壮絶に見えることを自分の満足のためにただ淡々とこなしている人にインタビューした記事には、「炎のランナー」という力強いフレーズとともに、「大人になり損ねた少年」という言葉も添えられています。
「もしかしたら、自分も大人になり損ねた少年なのかもしれない」と思う人がいたら、そしてこの記事を読んだことがなかったとしたら、この「ラピタ 1996年2月号」を探して読んでみるとよいかもしれません。
■「時々、近くをちょっと走るだけ」
「もっと速く、もっと遠くへ」から。
東京都八王子市で奥さんと娘さんの3人暮らし。ふだんはもの静かな内視鏡技術のエンジニアだ。(中略)「会社の同僚にもほとんど自転車のことは話しません。町内会の理事をやっているので休日もそうは乗れない。時々近くをちょっと走るだけです」。
そのちょっとがすごい。例えば未明に出発して富士五湖から伊豆半島、石廊崎を回って夜10時には帰宅する。1日400キロ。・・・けれど何も自慢しない
2010-09-17[n年前へ]
■折りたたみ自転車事故:「小径」で重傷2件
消費者庁は17日、折りたたみ自転車のうち、車輪径が8インチ(約20センチ)程度の「小径車」で、走行中フレームが折れ曲がるなどして転倒し重傷を負う事故が2件起きたとして、消費者に注意を呼び掛けた。2台は別の製品だが、横から見るとフレームが「A」に似た型で中国製。フレームの強度不足の可能性があるという。
2010-09-24[n年前へ]
■A-bike型自転車にとっての「4cmの段差に時速15km」
国民生活センターが「小径タイヤの折りたたみ自転車(A-RideX)の強度不足に注意!」という情報を公開していた。これは、8インチ(約20cm)のソリッドタイヤ(樹脂タイヤ)を使用するA-RideXでの事故をきっかけとした調査報告です。
小径タイヤ(8インチ)の折りたたみ自転車で道路の段差を走行した際にフレームが破損して転倒し、50歳代の男性が顔に1カ月以上の怪我を負う事故が発生した。事故同型品を調査した結果、強度上の問題が認められたことから、事故の再発を防止するために情報提供する。
「小径タイヤの折りたたみ自転車で走行中、歩道と車道の4センチほどの段差を越えたところで転倒。顔面に骨折や裂傷を負い歯が6本折れた」という一節を読むと、8インチ・空気タイヤのA-bike型自転車を愛用していたものとしては、他人ごとではなく「うーん」とうなり・背筋に汗をかいてしまいます。しかし、その一方で、
65kgのダミー人形を乗せ、時速15kmで4cmの段差を上がったところ、樹脂製(ナイロン)の前ホークが根元で破損した。という国民生活センターのテスト結果を読むと、これも少し「うーん」と考え込んでしまいます。時速15kmというと、A-bikeでは結構真剣にペダルを回した時のスピードです。そして、そのスピードで4cmの段差にタイヤを向けるというのは、(右上の写真のような本家本元のA-bikeも含む)A-bike型自転車からすると、あまりに「ありえない状況」に思えてしまいます。ほんのささいな「歩道と車道の段差」でも、簡単に(段差で)車輪がロックし前に放り出されるA-bike型自転車では、「4cmの段差に時速15kmで突っ込むのは」は断崖絶壁にアクセルベタ踏みでぶつかりにいくような状態のような気がしてしまうのです。
振動や衝撃を吸収しないソリッドタイヤ(樹脂タイヤ)の自転車(ましてその6インチの)に乗ろうとは思いませんが、その一方で、A-bike型自転車は「一筋縄ではいかない」自転車なので、「強度不足」には注意した上で、何より先に「4cmの(あるいはどんなにかすかに見える程度でも)段差」には要注意、という気もします。
2010-10-28[n年前へ]
■開け、カメラが窓ならば。
食欲に突き動かされて、魚料理を食べるために、自転車に乗り港へ向かう。その途中、街の景色を眺めながら、未来のデジカメについて考える。
未来のデジカメは、きっと百科事典みたいなものだろうと思う。美味しそうな食堂を前にすれば、その美味しさを的確に伝えてくれるし、目の前のアパートにレンズを向ければ、その建物が南北東西どの方向に窓を開けているのかを示してくれる、きっとそんなものだろうと思う。たとえば、目の前にある建物が、どうしてそんな作りになっているのか、そこでの暮らしはどんなものなのか、・・・そんなことを教えてくれる。未来のデジカメというものは、そんなスター/トレックのミスター・スポックのような存在であるに違いない。あらゆることを知り尽くし、冷静にアドバイスをしてくれるミスター・スポックの「窓」を通して、私たちは目の前のものを眺めるようになるようにも思う。
そんな百科事典、そんな電気仕掛けの秘密兵器を、誰でも手に入れることができるようになると・・・さてさて、それは果たして良いものだろうか。