2003-03-17[n年前へ]
■次のヒット曲を「予見」するソフト
「Hit Song Science」(HSS)は楽曲をヒットチャート1位に導く特徴——メロディー、和音、拍子の変化、テンポ、リズム、音程など——を特定できる。 アイリッシュロックグループのU2とベートーベンの楽曲からは、似たような数値が得られた。ビートルズとエルビス・プレスリーの楽曲にも、一致する特徴が見られた、というzdnetの記事
なかなか面白そうなソフト。動作画面を見てみたい。そんなソフトを作ってみたい。で、このソフトが役に立つかどうかは…自分の耳と感覚に頼った方が…というのは正直な感想。
2008-09-10[n年前へ]
■エルビス・プレスリーが「11人いる!?」
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)がモチーフに使った"Elvis"を高速でパタパタ切り替える動画のようなものを以前見たことがあります。動画といっても滑らかなものではなくて、拙いパラパラマンがのような、動いているエルビスが幾重にも重なり合うようなものでした。だからこそ、その何人もの違う瞬間のエルビスが重なり会うようすが、見ていてとても楽しかったように思います。色々な表層的なイメージだけがただ重なっていくようすに、ただただ興味を惹かれた感じでした。
長い時間をかけて、アンディ・ウォーホルの"Elvis 11 times"を見ました。2m×10mくらいの大きさの"Elvis 11 times"を眺めると、エルビス・プレスリーが少なくとも11人並んでいます。「少なくとも」というのは、見る方向で違うエルビスが見えてくるので、「11人」というような風に正確に数えることは難しかったのです。
どういうことかというと、エルビスを描き出す模様がついた編み目が重なっていて、その立体構造が「見え方」に指向性を持たせているのです。背景となる銀色と模様を作る黒色とが見る方向次第で、互いに色が逆転して見えたりするのです。立体構造のために、黒色が銀色に隠蔽され見え方が変わったり、視点位置によって鏡面反射光の強度が黒色部分より銀色部分の方が弱く、黒色と銀色の見え方が反転して見えたりするのです。そのため、同じ場所でも見る方向によって違うエルビスが見えてきます。だから、大雑把に言うと「エルビスが11人いる」のですが、そこには実はもっと多くのエルビスが描かれていて、見る方向によって違う姿のエルビスたちが見えるのです。レンチキュラーレンズを貼り付けた立体写真のように、見る方向によって見える画像が違ってくるのです。
"Elvis 11 times" はどこから見るかによってその姿を変えるのです。人がどんな場所に立ってどこを見るかによって、違った姿が見えるのです。だから、単純な2次元には収まらない"Elvis 11 times"は、単純に一枚の写真に写し取ることはできないわけです。写真のシャッターを押したとして、そこに写る映像は、本物とはひどく異なる姿になってしまうわけです。そんなことがとても面白くて、"Elvis 11 times"をとても時間をかけて眺めてみたのです。