2014-05-04[n年前へ]
■オート3輪が排気ガスをまき散らしてた「あの時代」の夕焼けを眺めてみよう。
「”三丁目の夕日”の頃は大気汚染も酷くて、全然美しい時代じゃなかった*」みたいな話を読んで、ふと考えました。大気汚染が酷いならとても夕焼けが美しそうだ…。というわけで、ド派手にエアロゾル2倍の汚染状態にして、夕日レンダリングしてみました。その結果が、下に貼り付けた画像です。一番左が基準画像で、真ん中が「エアロゾル2倍な大気汚染時代」です。レイリー散乱の影響で、綺麗で赤みがかった綺麗な夕暮れ空になりました。
*三丁目の夕日の舞台となった昭和三十年代は大気混濁係数の変化を見ると、まだ大気は(現在と比べても)まだそれほど汚れてなかった時代のようです。
そこで、さらに調子に乗り、エアロゾルを「倍々ゲーム」で倍返しだ!(古い)という感じでさらに大気汚染の度合いを増やせば、もっともっと美しいはず!と「大気汚染が進んでいるという北京の夕日」をレンダリングしてみた。それが、一番右の景色です。
…うーん、これは少しばかり、暗く陰り過ぎな夕暮れ景色になってしまったかも。
2014-07-18[n年前へ]
■肌色絵の具と赤ボールペンで、「赤い血が流れる静脈が青く見える理由を実感してみよう!
「赤い血」が流れてるはずの静脈が「青く」見える理由(納得したい人向け)を実感するために、肌色(かつて「肌色」と呼ばれていた色)絵の具と赤ボールペンで実験をしてみました。
「皮膚下部に静脈がある箇所の色」と「周囲の皮膚部分の色」を比べると、「皮膚下部に静脈がある箇所の色」は(周囲に比べると)青色光の強さは他の部分と同じくらい強く返ってくるのに、赤色の光は周囲よりも少ない量しか返ってこない…というわけで、「(近傍周囲と比較すると)皮膚の上から見た静脈が青色がかる」ということになります。**
「赤い血」が流れてるはずの静脈が「青く」見える理由(納得したい人向け)
水に溶かした肌色絵の具を試験管に注ぎ入れ、その中に赤ボールペンの芯を入れてみます。赤ボールペンの芯は「脱酸素化ヘモグロビン*により暗赤色に見える静脈」を模しています。肌色の腕ならぬ肌色の(おそらく材料的にはミー散乱・レイリー散乱で模せる程度の)光拡散体に、暗赤色の静脈ならぬボールペンの芯を入れてみます。
すると、肌色光拡散体の中に入れた赤ボールペン芯は、試験管表面近くにあると赤く見え、表面から離れて・内部にいくほど薄蒼色に見えてきます。静脈の深さ次第で(近傍周囲の反射スペクトルと比較して)蒼色光が多くなり・蒼色に見えたりすることや、血マメができた箇所が深くなると(皮膚表面からの距離が長くなると)青い血マメに見えてくるんだろうなぁ…と実感できたりします。
…というわけで、100円ショップで買った赤ボールペンと肌色絵の具、トータル200円ナリの体感実験をしてみました。
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*「酸化ヘモグロビン」だと「Feイオンがすべて酸化したメトヘモグロビン」になってしまうので、「酸素と結合しているヘモグロビン」は酸素化ヘモグロビン、酸素と結合してないヘモグロビンは脱酸素化ヘモグロビンが適切だろうと松延先生に教えてもらいました。
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**50年前に「テレビジョン」に掲載された解説論文「肌色(富士写真フィルム研究所 鉅鹿明宏)に、おおよそ解説されています。